3月10日より全国劇場にて公開される『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』の完成披露上映が2月21日、新宿ピカデリーにて開催され、坂本浩一監督、そして主演の朝倉リクを演じる濱田龍臣をはじめとするメインキャストが舞台あいさつを行った。
本作は、2017年7月から12月までテレビ東京系で放送された連続テレビシリーズ『ウルトラマンジード』を受けた劇場版で、全宇宙の知的生命体を滅ぼそうとする強大な敵・巨大人工頭脳ギルバリスとギャラクトロン軍団を阻止するべく、ウルトラマンジード、そしてウルトラマンオーブ、ウルトラマンゼロが勢ぞろいするという内容。テレビシリーズの最終章と同じく沖縄ロケが敢行され、まばゆい太陽や青く澄み切った海をはじめ、沖縄ならではの雄大で美しい風景を舞台に大スケールの決戦が繰り広げられている。
完成披露舞台あいさつには、テレビシリーズでもメイン監督を務めた坂本浩一監督、ウルトラマンジードに変身する朝倉リク役の濱田龍臣、ウルトラマンオーブに変身するクレナイ ガイ役の石黒英雄、ジャグラス ジャグラー役の青柳尊哉、そして映画のキーパーソンというべき謎めいた美女・比嘉愛瑠(アイル)を演じる本仮屋ユイカが登壇。ここにスペシャルゲストとして、本映画の主題歌「絆∞Infinity」を歌う人気シンガー、May J.が加わった。
テレビシリーズ最終回を経て、より凛々しさを増した主人公・朝倉リクを演じる濱田龍臣は、映画が初お披露目されることについて「すごく楽しみです。この映画は『ウルトラマンジード』の集大成。胸を張ってみなさんにお届けしたい」と晴れやかな笑顔で心境を語った。映画ゲストの本仮屋ユイカについての感想を尋ねられた際には、「一緒にいて楽しい人。サバサバした部分やかわいらしい部分があったりして、いるだけで現場の雰囲気がなごみました」と、共演者とのチームワークもよく、終始楽しい空気の中で撮影できたことを明かしていた。
2016年に放送されたテレビシリーズ『ウルトラマンオーブ』および2017年公開の映画『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』で主演を務め、今回1年ぶりに子どもたちの前に姿を現した"風来坊"クレナイ ガイ役の石黒英雄は、ひさびさに「オーブニカ」の哀愁ただようメロディーに乗って登場し、会場を沸かせた。先輩ウルトラマンとしての登場についての感想を求められると、石黒は「先輩というより、仲間として新しいウルトラマンと一緒に戦うというのが嬉しかったですね」と、さすがの風格でウルトラマン共演に喜びを感じていたことを明かした。
「撮影現場の雰囲気は?」という質問には「『オーブ』のときと違って、さわやかな汗の流れるような現場でした。『オーブ』は男子校のようでしたからね。まるでマネージャーのいない部活みたいなノリでしたが、『ジード』は女子マネージャーが水やタオルを渡してくれそうな、キュンとくるような女性陣のさわやかさを感じました」と、『ジード』と『オーブ』での女性キャストの"数の差"から来る雰囲気の違いをしみじみと語った。さわやか、と言われた『ジード』チームの濱田はすかさず「やっぱり自分が17歳なもので、さわやかさが出るのかな、と思いました」と"若さ"を熱烈アピールし、石黒が面食らう、という珍しい場面も見られた。
ガイの宿敵として何度も対立していたが、全宇宙の危機を前にしてジードたちと共にギルバリスに戦いを挑むジャグラス ジャグラー役の青柳尊哉は、今回の映画ではヒーロー側ではあるものの、すっかりおなじみとなった"闇の仕草"は健在で、独特の怪しい表情と動きで観客にサービスする場面が見られた。また、リクやガイ、ライハと共に宇宙人たちと立ち回るアクションシーンについて尋ねられると「僕のアクションシーンは、伊賀栗さんにも頑張っていただいて……」と、本作でもウルトラマンゼロに憑依されるサラリーマンの伊賀栗レイト役・小澤雄太とのコンビネーションを強調した。すると、坂本監督から「30(歳)越えコンビでね(笑)」と絶妙な合いの手が入り「そうですね……、やめなさいって!」と青柳が見事なノリツッコミで返すやりとりが笑いを誘った。
「沖縄ロケでの思い出は?」という質問に「リクと一緒にソーキそばを食べに行きました」と語った青柳だが、濱田から「僕はお食事のあとまっすぐ帰ったのですが、そのあとジャグラーさんとレイトさんは夜の街へ……」と、青柳と小澤が沖縄の夜を満喫していたことを明かされた。青柳は「レイトが営業したいと言ったので、僕は引率者としてね。沖縄ってどんなところかなあ……って(笑)」と、気の合う大人同士での楽しいひとときをお互いの役どころに合わせて嬉しそうに語っていた。
沖縄でアウトドア教室を開く清らかな美女で、リクが宇宙を救う唯一のアイテム「赤き鋼」を使うことのできる唯一の戦士だと信じる比嘉愛瑠を演じた本仮屋ユイカは、初のウルトラマンシリーズ参加の感想を聞かれ、「『ジード』チームの仲がよく、演じているみなさんそれぞれがウルトラマンを心の底から愛していて、その中に自分も入ることができたのがとても楽しかった」と、俳優陣のチームワークとウルトラマン愛について語った。
劇中ではアクションにも挑戦したという本仮屋は、「最初は少し怖かったですけれど、地球とみんなを守る、という使命感を念頭に置いて楽しみながら頑張りました」と、体当たりの演技に挑んだ感想を語った。そして、会場のファンから寄せられる大きな声援に対して「感動しました! こんなにみんながピュアな思いで愛してくれる作品に出演することができて、とても幸せです」と、会場に集まった大勢のウルトラマンファンの子どもたちの声援に、胸を打たれた様子だった。
2015年公開の『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』以来、ひさびさのウルトラマン映画の演出を務める坂本浩一監督は、「ジードとオーブががっつり組み合って、宇宙最大の事件を解決していくという部分が大きな見どころです。そして沖縄ロケでのスケール感。ストーリー面では、本仮屋さん演じるミステリアスな女性・愛瑠が大きな鍵を握っていますので、そこを楽しんでもらいたい」と、今回の映画の見どころを熱く語った。
また、ジード、オーブ、ゼロ、ジャグラーとギャラクトロン軍団の巨大アクションに加えて、リクたちと宇宙人軍団の等身大アクションもたっぷりと見せ場を取っている。これについて坂本監督は、「リクはテレビシリーズではそんなにアクションがなかったのですが、今回の映画では"やられ"のアクションを中心に頑張ってもらいました」と、映画ならではというべきリクの激しいアクションシーンを強くアピール。アクション初挑戦の本仮屋についても「事前練習のときから筋がよかった。本番では気持ちもより一層強く入るようになり、迫力あるアクションシーンになったと思います」と、体当たりの演技に満足している様子をうかがわせた。
2013年に公開され、世界的大ヒットとなったアニメーション映画『アナと雪の女王』の日本語版主題歌「Let It Go〜ありのままで〜」で知られる人気シンガーのMay J.は、本作の主題歌「絆∞Infinity」を歌うことが決まったときの感想を聞かれ、「ウルトラマンシリーズは小さいころからテレビで観ていたり、おもちゃ屋さんでフィギュアを買ってもらって遊んだりしていたので、このような機会が得られてものすごく嬉しかったです。日本を代表するヒーローの歌を歌わせていただけて、とても幸せです!」と、目を輝かせながら語った。
ここで、May J.が主題歌「絆∞Infinity」を歌うミニライブに突入。歌の途中で濱田と石黒が変身ポーズを取った直後、ウルトラマンジードの映画だけの新たなスタイル「ウルティメイトファイナル」、そして「ウルトラマンオーブ オーブオリジン」が駆けつけ、May J.の熱唱を盛り上げた。
歌が終わり、割れんばかりの拍手に包まれたMay J.は「映画の台本をまず読ませていただいたとき感じたのは"弱さを認めることで、ほんとうの強さを得る"ということです。自分1人で解決できない問題でも、周りの人たちの協力や支えによって突破できるかもしれない。自分の周りには、常に応援してくれる仲間がいるということを忘れず、勇気を出して前に進んでいく大切さを伝えるため、心を込めて歌いました」と、主題歌に対する思いを述べた。
映画を実際に観て、エンディングに主題歌が流れたときには「すごく歌詞と映画のストーリーがマッチしているなあと思って、鳥肌が立ちました。森雪之丞さんによる歌詞の世界観が、映画を観終わった後だといっそう共感できますし、身近に感じることができると思います」と、映画のテーマにリンクした歌詞のすばらしさを感じたことも明かしていた。
最後にマイクを手にした濱田は「『ウルトラマンジード』という作品に携わらせていただいて、とても嬉しく、自分自身も成長できたと思っています。映画の中にはいろいろな要素がつまっていますし、スタッフ、キャストみんなの思いを全力でぶつけて作った作品ですので、ぜひ楽しんでください!」とあいさつし、およそ1年間にわたって演じてきた『ウルトラマンジード』の集大成というべき『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』を多くの人たちに観てほしいとアピールした。
映画『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』は、3月10日から全国劇場にてロードショー公開。
なお、3月2日には「ジーッとしないで応援しようぜ!『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』お披露目上映会」が開催された。舞台あいさつには伊賀栗レイト役の小澤雄太、愛崎モア役の長谷川眞優が登壇。ペンライトや玩具の持ち込みOK、コスプレOK、ウルトラヒーローへの声援OKという「応援上映」企画とあって、子どもたちがウルトラヒーローを応援する「がんばれー!」の声が場内に轟くエキサイティングな上映風景となった。こちらの詳細も後日レポート記事を掲載予定。