三菱自動車は3月1日、新型コンパクトSUV「エクリプス クロス」を発売した。2年前に発覚した燃費不正問題を経て、信頼回復を図る商品刷新計画の第1弾という重要なポジションを担う同車両。新型車のリリース自体が4年ぶりということもあり、同社の強い信念が込められた1台となっている。
行動意欲を掻き立てる個性的なデザイン
同車両は、コンパクトSUV「RVR」やミッドサイズSUV「アウトランダー」、「アウトランダーPHEV」といったクロスオーバーSUVラインナップに新たに加わる新型コンパクトSUVという位置づけとなる。
スタイリッシュなクーペスタイルを実現しながらも、高いヒップポイントによる見晴らしのよさや広い室内空間などSUVとしての機能も一切妥協していない、三菱らしさが存分に表現された同車両。ベルトラインによる前傾姿勢や、アスリートを彷彿とさせるマッチョな前後のフェンダーなど、随所に個性が散りばめられている。
シャープなヘッドライトとデイライトをフロント上部に配置し、ターンランプとフォグランプは下部にセット。キリッと引き締まったルックスを実現するとともに、ターンランプの視認性も向上している。
リヤスタイルも立体的かつ個性的に。ワイドなリヤランプは高めの位置に配し、前傾したリヤウインドウは上下に二分。チューブ式のテールランプと中央のハイマウントストップランプが同一線上で発光することによって、幅広さと安定感も表現している。
ボディカラーは、同車両のダイナミックなスタイリングを際立たせるレッドダイヤモンド、ブラウンをベースに軽快でアクティブな印象を加えたブロンズメタリックを新たに開発。さらに、ホワイトパール、ライトニングブルーマイカ、ブラックマイカ、レッドメタリック、チタニウムグレーメタリック、スターリングシルバーメタリックを加えた全8色を設定した。
洗練されたフォルムながら、居住空間もしっかりと確保。6:4分割のリヤシートは200mmのロングスライドが可能となっており、16~32度まで9段階のリクライニング機構も採用している。リヤシートを最後端までスライドさせた状態でも、9インチゴルフバッグが3セット積めるという荷室の広さもありがたい。
新たな楽しみへの閃きをもたらすコネクティビティ
最上級グレードの「G Plus Package」には、スマートフォン連携ディスプレイオーディオ「SDA」とタッチパッドコントローラーを標準装備している。
「SDA」は、「Apple CarPlay」や「Android Auto」にも対応。行き先を調べる、音楽を聴くなど、センターコンソールに配置されたタッチパッドコントローラーで、走行中でも姿勢を変えずにさまざまな操作を行うことができる。
また、「G」・「G Plus Package」グレードには、透過型のヘッドアップディスプレイを初採用。メーターバイザー前方の運転視界内に走行情報や警報が表示され、少ない視線移動で素早く情報確認ができる。
四輪制御技術による安心のドライビングフィール
駆動方式は、FFと4WDをラインナップ。4WD車には、電子制御4WDシステムにAYCブレーキ制御を加えた車両運動統合制御システム「S-AWC」を採用し、ドライバーの操作に忠実な車両挙動を実現する。
パワートレインは、新開発した1.5リッターダウンサイジング直噴ガソリンターボエンジンを搭載し、8速スポーツモード付きのCVTと組み合わせている。
衝突被害軽減ブレーキシステムや車線逸脱警報システム、オートマチックハイビーム、誤発進抑制機能は全車標準装備となり、「G」・「G Plus Package」グレードにはレーダークルーズコントロールシステム「ACC」を備えている。また、坂道発進をスムーズにしてくれるヒルスタートアシスト「HSA」も全グレードで標準化された。
各グレードの価格は以下の通り。
「M 2WD/4WD」 253万2,600円/274万8,600円
「G 2WD/4WD」 270万6,480円/292万2,480円
「G Plus Package 2WD/4WD」 287万9,280円/309万5,280円
同社の中期経営計画を達成するためのグローバル戦略車としてリリースされた同車両は、すでに欧州やオーストラリア、北米市場などで先行販売されており、2018年1月の時点で5万3,000台以上もの予約を受けているとのこと。国内でも2017年12月より予約注文を受付け、2018年2月末時点での予約件数は約5,000台に到達。好調な出足の商品刷新計画は、今後「アウトランダーPHEV」や「デリカD:5」のモデルチェンジに繋がっていく模様だ。
※価格は全て税込