JR西日本は4日、大阪環状線で「ブライダルトレイン」の特別運行を実施した。「大阪環状線改造プロジェクト」の一環として、新型車両323系が結婚式専用の列車となり、事前の公募で選ばれた牛丸智裕さん、牛丸佳子さんが車内で結婚式を挙行した。
「ブライタルトレイン」は大阪駅を12時38分に発車し、約40分かけて外回り(大阪駅から京橋・鶴橋方面)を1周した。まずは多くの参列者と報道陣に見守られる中、新郎新婦が323系とともに写真撮影を行った。牛丸智裕さんはJR西日本の制帽を被り、ウェディングドレスの牛丸佳子さんも美しく敬礼。幸せいっぱいの雰囲気とともに「ブライダルトレイン」はスタートした。
323系の車内は結婚式会場に仕立てられ、飾付けなどで華やかな雰囲気に。いつもはビジネスパーソンを乗せる323系だけに、より新鮮に感じられる。
大阪駅を発車してから間もなく、新郎新婦が2両目から1両目へ入場。多くの拍手と歓声が車内を包んだ。結婚式は天王寺駅到着まで粛々と行われたが、「大阪らしさ」を感じさせる場面もあり、途中の京橋駅で運転停車(客扱いはせず)した際、ホームにいた利用者が新郎新婦へ拍手を贈っていた。
天王寺駅から弁天町・西九条方面への走行では、粋なサプライズ演出が続々と登場した。天王寺駅ではJR西日本が発行するICカード「ICOCA」のマスコットキャラクター「カモノハシのイコちゃん」が「ブライタルトレイン」に乗車。芦原橋駅ではホームから駅員とJR西日本のラグビー部「JR西日本レイラーズ」の選手から祝福を受けた。⻄九条駅のホームにはJR社員だけでなく、利用者までもが⼤々的に新郎新婦を祝福した。「ブライダルトレイン」を核として、大阪環状線全体で結婚式を盛り上げた。
また、事前に配られた記念硬券「大阪環状線ブライダルトレイン記念乗車証」に新郎・新婦がハサミを入れる演出もあり、鉄道ならではの充実した結婚式となった。
大阪環状線「ブライダルトレイン」での結婚式を終え、牛丸佳子さんは「本当に一瞬だった」と表現。最も印象に残ったシーンとして、天王寺駅で「イコちゃん」が乗車してきたことを挙げた。牛丸智裕さんは「ブライダルトレイン」での結婚式を「一生の思い出」と話し、多くの人々が集まった西九条駅でのサプライズ演出に感動した様子だった。