2018年3月2日より全世界同時配信されているNetflixオリジナルアニメ『B: The Beginning』。映画『キル・ビル』のアニメーションパート監督の中澤一登氏とProduction I.Gがタッグを組んだことで注目されているアニメだが、もうひとつ話題を呼んだことがある。それは、主題歌のプロデューサー・ギタリストとしてマーティ・フリードマンが参加していることだ。
マーティ・フリードマン。アメリカ合衆国出身。ギタリストとしてCACOPHONYなどのバンド活動を経て、1990年にMEGADETHへ加入し、全世界で1300万枚以上のアルバムセールスを誇るメガバンドへと導く。MEGADETH脱退後、2004年からアメリカから日本へ活動拠点を移す。現在はギタリスト・作曲家・プロデューサー・音楽評論家として活躍中 |
マーティは主題歌だけではなく、3月7日に発売される本作のイメージアルバム『B: The Beginning THE IMAGE ALBUM』のプロデューサーも務め、その参加アーティストもJean-Ken Johnny、KenKen、ピエール中野、松隈ケンタ、Koieなどといった豪華布陣となっている。今回は、マーティにイメージアルバムについてのインタビューを実施。製作時のエピソードなどを語ってもらった。
▼本編を強く感じられるような曲を作りたかった。
――本日はよろしくお願いします。
お願いします。あ、チョコどうぞ。
――いただきます!『ヘビメタさん』(2005年に放送されていた音楽バラエティ番組)大好きでした。
おー! ありがとうございます!
――さて、今回、『B: The Beginning』の主題歌「The Perfect World」と、イメージアルバムについてお聞きしていきたいと思っています。マーティさんは本作にプロデューサー・ギタリストとして参加しています。そもそも参加するきっかけはなんだったのでしょう?
最初は主題歌だけの話だったんです。『B: The Beginning』は大変めずらしい角度で楽曲を制作したアニメでした。まず全12話を観て楽曲を作って、その後にJean-Ken Johnny(ジャン・ケン・ジョニー)が歌詞を作った。でも、ふたりとも同じアニメを観て作ったのに、方向性が異なっていたんです。それらを融合して主題歌を作ったら、中澤一登監督がとても喜んでくれたんです。「作品にぴったりだ!」って。
――制作する前に中澤監督から楽曲のリクエストみたいなものは。
まったくなかった。でも、事前に完成させる前の楽曲のアイデアを8個くらい、監督やスタッフに投げたんです。そうしたら、みんな同じ一曲に絞ってくれた。そうやって出来たのが「The Perfect World」です。そして、もっといろんな楽曲を作ってみないかとエイベックスさんからお話がきたんですよ。僕も自分が好きなアーティストと一緒にやってみたかったので、ぜひやりましょうと。
――これまでにもアニメ・ゲーム作品への楽曲提供は数多くありましたけど、今回みたいに、アニメ本編を全話観てから楽曲を制作するという流れは珍しいですよね。
はじめてですね。こんなに深く入ったことはないです。まだアニメ本編を作りはじめていないときも多くて、楽曲の注文も「アップテンポで、マイナー系で、エキサイティングな曲を作ってください」みたいな(笑)。『B: The Beginning』がすごいのは、楽曲とストーリーが非常につながっている。タイアップ的な主題歌じゃないから、音楽が出るとき、「すごいおいしいじゃん!」って。相乗効果で、アニメも曲もより深くなっていますね。
▼「The Perfect World」Music Video
――アルバム一作まるまるひとつのアニメについてというのも今回がはじめてですね。
はい。アルバムを作るときに大事なのは統一感。コンセプトをまとめるということが難しいんです。「この曲はヒップホップ、この曲はメタル」という風にバラバラになりがちなんですけど、今回は『B: The Beginning』を拠点にして、作品に関係ある楽曲を作っていきました。アニメを観たあと、音楽を聴いたときにそのアニメを強く感じられるような。劇伴としてはまったく違う作り方でした。
――はじめて『B: The Beginning』を観たときに抱かれたイメージは?
最初は「これグロいじゃん」って(笑)。でも最初だけです。グロいところもあるし、ちゃんとしたストーリーもある。それは曲を作る上での武器になりました。そのメリハリを表現したかったんです。
――そうやって全話観て楽曲制作がはじまる。制作する上で大事にした部分、核になった部分は?
良い質問ですね。アニメと同じで「なにが出てくるかわからない部分」を守りたかったんです。『B: The Beginning』を観ていて「次はこうなるかもしれない」と思ったら、絶対に裏切られる。それを音楽でも表現したかったんです。これまでやったことのないアレンジや歌い方など、オーソドックスではない表現にチャレンジしていますけど、それはアニメから得たアイデアです。
▼曲作りの筋肉を鍛えていたからかも
――昨年8月にソロアルバム『ウォール・オブ・サウンド』をリリースされています。『B: The Beginning』イメージアルバムの制作に取り掛かったのは、ソロアルバムリリースのあとですか?
そうですね。ちょうど『ウォール・オブ・サウンド』で自分の全部を使い尽くしたときでした。なので白紙の状態から、全部僕が作曲をして新しいフルアルバムをつくるとなったときは、ちょっと考えられなかった(笑)。でも、「この人とやってみたい」という人のリストを出してみたんです。いつもアルバムを出すときにリストを出すとNGが多いんですけど。今回はリストそのままOKが出たんですよ。今回だけの一期一会というか、奇跡みたいなものです。そうやって次から次へとOKが出て、エキサイトしてきたんです。「The Perfect World」も最初は僕が歌う話だったんだけど、「絶対に僕よりいい人がいるから」とJean-Ken Johnnyにオファーを出したらOKをもらえました。
――どんどんやる気がわいてきた。
魂にガソリンが入っていきました。しばらく休まないと『ウォール・オブ・サウンド』を超えるアルバムはできないと思っていたんですよ。でもアドレナリンがどんどん出てきたんです。『ウォール・オブ・サウンド』で修行して、曲作りの筋肉を鍛えていたからかもしれないですね。
――以前、「オファーは絶対に断っちゃダメ。ガールフレンドとの約束があっても仕事を優先させないと」と言っていたのを思い出しました。
あ、それ僕のことばっぽいかも(笑)。ほんとにアーティストやミュージシャンはそうだよ。いくらアイデアを使い尽くしたといっても、いい話を断っちゃだめなんですよ。そういった意識が、僕の疲れた部分より強かったんだろうね。僕はアニメファンではないんですけど、一般的な目線で観たときに『B: The Beginning』はとてもクオリティの高いアニメだと感じたんです。ドラマや映画を観ているような感覚。なので、アニメをさらに深く楽しんでもらえるようなアルバムが作りたかったんです。
▼アイドル文化に注目
――いま注目しているカルチャーはありますか?
アイドルがどんどん進化していると感じています。ファンとしてもミュージシャンとしてもうれしいことですね。アイドルって、たとえばアコギ一本で歌っているシンガーソングライターとは違って、いろいろな人の力が合わさったものなんです。乃木坂46とかね。スタッフが多くて、ゴージャスで、コテコテに作って、情報がいっぱい詰め込まれている。
――楽曲的な面ではいかがですか。
アイドルの競争が激しくなってくると、曲のクオリティが上がってくるんですよ。ファンが応援しているからというのもありますけど、曲が聞きたいからこそCDも買うし、ダウンロードもしますよね。だからチャートの上位にも入ってくる。
――松浦亜弥さんの完成度を褒められていましたよね。
そうです! つんく♂さんがプロデュースしたから誕生した奇跡だよ! アイドル同士だけではなく、プロデューサーの影響も響いていますよね。ヒャダインさんや様々なプロデューサーやトラックメイカーが冒険的ないい音楽を作っている。楽しいですね。世界平和の音楽ですよ。
――いま特に好きなアイドルは?
ピンとくるのはまねきケチャですね。昔から応援していたので、今年武道館のワンマンが発表されて、非常に嬉しいです。放課後プリンセスも好きですね。アイドル以外ではシェネルさんにハマッています。
――アイドルのお話だけでずっと語れそうですね。最後にアルバムを楽しみにされている方へのメッセージをお願いします。
今回参加したアーティストたちは一生に一度の組み合わせだと思っています。思っていたよりも良い出来なので、多くの人に聴いてほしいですね。僕はアルバムを作ったらもう聴きたくないんです。スタジオで通して録音したらもう完璧だと思って。でも、今回は3回以上も通しで聴いています。自分の作品だって忘れるほどに(笑)。なので、とにかく感想が聞きたいです!「どの曲が気に入った」とか、「アニメのこのシーンを思い出した」とか。Twitterで気軽に送ってくれるとうれしいです!
マーティ・フリードマン インストアイベント決定
日程:3月8日
時間:19:00
場所:タワーレコード新宿
当日会場にて『B: The Beginning THE IMAGE ALBUM』購入者はサイン会に参加可能
●マーティ・フリードマンサイン入りチェキプレゼント
応募要項
■応募期間:2018年3月3日から2018年3月10日まで
■内容:マーティ・フリードマンサイン入りチェキ
■当選人数:3名様
■応募方法
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2.応募ツイートをリツイート
当選者には応募締め切り後、マイナビニュースホビー公式Twitterからダイレクトメッセージにて、送付先情報(送付先住所、受取人氏名、電話番号)を伺います。 ※ダイレクトメッセージ送信後48時間以内にご連絡のない場合や、フォローを外された場合(その場合ダイレクトメッセージを送付できません)は当選を無効とさせていただきます。 ■当選条件
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