第41回日本アカデミー賞の授賞式が2日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催され、是枝裕和監督の『三度目の殺人』が作品賞を含む6部門(監督賞・脚本賞・編集賞・作品賞・助演女優賞・助演男優賞)で最優秀賞を獲得した。

  • 三度目の殺人

    是枝裕和監督 撮影:宮川朋久

授賞式の締めくくりに最優秀作品賞が発表され、ステージ上で喜びを分かち合った出演者とスタッフ。広瀬すずは同作で最優秀助演女優賞も受けていたことから「お腹が痛いです」と笑顔を見せて笑いを誘い、「すてきな景色を見させていただきました。ありがとうございます」と感謝の言葉を伝えた。

一方、個人で3冠(監督賞・脚本賞・編集賞)を達成した是枝監督は、「チャレンジの連続だったものがこういう形で評価をいただいて、本当にうれしく思っております」とあいさつし、「まだまだ映画よく分からないなというのが正直な感想なので、さらにまたこの受賞を糧にしてもう一歩先に進みたいと思います」とさらなる躍進を誓う。

また、最優秀監督賞のスピーチでは、「現場で脚本があまりに変わっていくので、プロデューサー陣が『本当にやばいんじゃないか』ということが度々ありました」「ヒリヒリするような時間を何度もこの映画のプロセスで過ごしたんですけど、最終的には信頼していただいた」と苦労話も。

この日、主演の福山雅治は欠席。是枝監督は、「中心には福山雅治さんがいてくれて。僕が悩んで先が見えなくなった時に、『大丈夫ですよ。音楽もそういう時に一番良いものが生まれたりしますから』と常に僕を信頼して任せてくれました」と語り、「まずそのことに本当に感謝していますし、彼のもとにも届けたいと思います」と秘話を明かしていた。

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