先日、ワコムが新製品の発表会を開催し、23.6型4K液晶ペンタブレット「Wacom Cintiq Pro 24」と、これに一体化できるモジュール型PC「Wacom Cintiq Pro Engine」を披露しました。
発表会の様子は別記事『4K大型液晶ペンタブ「Cintiq Pro 24」と合体型PC「Cintiq Pro Engine」 - ワコム発表会から』をご覧いただくとして、発表会場でわずかな時間ではありましたが筆者が実際にペンを握り、その書き味と、実機に触れで気付いたこと、わかったことをお伝えしていきたいと思います。
Wacom Cintiq Pro 24を前にして、まず目を見張ったのはその大きさです。幅677mm、奥行き394mmというサイズがもたらす広大な作業エリアは快適そのもの。しかも、描画エリアの右端や下端でペンを走らせる場合であっても、ペンを握った手や腕を幅広いベゼルがしっかり保持してくれます。そこに窮屈さはなく、きょう体の端を気にかけることもないので、作業に集中することができるでしょう。
で、気になるペンとタブレットの書き味です。
AG(アンチグレア)処理が施されたタブレットガラス面と、ペン先の摩擦具合がなせる技なのか、本当に紙の上にペンを走らせているかのよう。適度な引っかかりを感じるため、指先から「線を描いている」感覚が伝わってきました。
ペン先の追従性と、画面上の視差の少なさにも驚かされました。ササッと多少オーバーにスナップをきかせて線を描いてみても、画面上でしっかり追従して描画されるのはもちろん、微妙な筆圧も感知して意図する太さ・濃さの線を描けました。
このあたりは、8,192レベルを誇る筆圧感知や、±60レベルの傾き検出、電磁誘導方式で最高0.005mmという読み取り分解能のおかげでもあるでしょう。しっかりよい仕事をしてるな! と実感させてくれた瞬間でした。
この精度の高さは、「液タブあるある」ストレスの解消につながっています。画面上で、描画エリアとベゼルのキワ、つまり、ウィンドウを閉じるときにタップする「×」を確実に押せるんです。よくペン先とポイント部分がズレてしまい「アレ!? なかなかウィンドウ閉じられない!」というストレスからの解放は、筆者的には目からウロコでした。
けっこう気になる人がいるというタブレット画面上の発熱ですが、「ほんのり温かいかな?」といった程度に抑えられていました。発表会場でワコムの人に話を伺ったところ、筆者が体験したWacom Cintiq Pro 24は、起動して4時間ほど経過した状態でしたが(省電力モードなし)、作業の集中力を損ねるほど熱く感じる温度までは上がらないとのことです。
さらに、より熱源が増える「Wacom Cintiq Pro Engine」(モジュール型PC)をドッキングしたWacom Cintiq Pro 24にも手を触れてみたのですが、肌感覚では非装着のものと大きな差は感じられませんでした。
繰り返しになりますが、指先の動きに対してリニアに追従するペン先、そして液タブにペンを走らせているという感覚はほとんどありません。ワコム自慢のうたい文句とたがわず、Wacom Cintiq Pro 24は自然な感覚で作業に没頭できる液タブといえます。筆者は大いに満足な使い心地を得ましたが、このアナログ感覚は本当に人それぞれ。ぜひ、店頭で実際に触れて、描いて、自身の五感でWacom Cintiq Pro 24を評価してみてください。