ファーウェイがMobile World Congress 2018に合わせて、WindowsノートPC「MateBook X Pro」などを発表しました。それを受けてファーウェイのモバイルブロードバンド・ホームデバイスプロダクトラインのプレジデントであるワン・ビャオ氏が、日本の報道陣の質問に答えました。

  • モバイルブロードバンド・ホームデバイスプロダクトラインのプレジデント、ワン・ビャオ氏。MateBook X Proを手にしています

「MateBook X Pro」はキーの一部にWebカメラを内蔵し、物理的にポップアップするギミックを備えたハイスペックなWindowsノートPC。外付けGPUの採用など、スペック的には日本でも欲しいというユーザーが多いでしょう。ただ、バルセロナで開催された発表会で、コンシューマビジネスグループのCEOであるリチャード・ユー氏が示したスライドには、第1弾の販売国に日本が含まれていませんでした。

これは残念なので、ビャオ氏に日本での発売予定について質問してみました。するとビャオ氏は「発表で日本が含まれていませんでしたか? 日本は最初の販売国だったと思いますが、確認させてください」とのコメント。

確認の結果、グローバルの第1次販売国に日本も含まれていたことがわかりました。「MateBook X Pro」はもともと中国が最も早く発売され、その後グローバルの第1次販売国で発売される、という流れとのこと。そしてプレスカンファレンスの第1次販売国スライドには中国、米国、サウジアラビア、ドイツ、スペイン、イタリア、ノルウェーのみでしたが、この中国を除く各国と同時期に日本でも発売される、とのことでした。

  • MateBook X Pro

  • MateBook X Proの天板はちょっとシックな感じ

実は今回、MateBook X Proにはタッチパネルが搭載されていますが、従来モデルのMateBook Xはタッチパネル非搭載でした。これに対して以前、ビャオ氏に要望を伝えていたのがPCライターの山田祥平氏。今回のインタビューで山田氏と会ったビャオ氏は、真っ先に「山田さんに言われて搭載したんですよ」と笑顔を見せました。

ビャオ氏は、日本市場のPC事業について「売上は大きくはないが、口コミなどの評判は良くて満足している」と好意的に話しました。キーボードの問題などもあってどうしても新製品投入が遅れがちな日本市場なので、今回は早めの投入ということになりそうです。

PC業界では新参者。普及には「時間がかかる」

世界的にもまだ発展途上の同社PC事業ですが、「あらゆるシーンで使える多種多様なスマート端末を提供するのが目標」(ビャオ氏)という同社にとって、ノートPCは重要なデバイスであり、スマートフォンとは違い「ファーウェイのブランドでノートPCを受け入れてもらうためには時間がかかる」(同)として、短期的な売上で事業の判断はしない方針を示しています。

「PC業界では新参者なので、やるべきことを着実にするという製品作りで、販売パートナーを増やして販路を拡大していきたい」とビャオ氏は話し、ファーウェイ全体の戦略の中でPC事業を着実に育てていきたい考えです。

ちなみに、ほかに気になった点として、モバイル通信には対応しないのかという質問には「グローバルでニーズが少ない」、Windows on ARMの登場に向けて、KirinのWindows対応を検討しているかという問いには「予定はない」との回答でした。

  • 発表会場がどよめいたWebカメラのギミック。キーボードの中央、[F6]キーと[F7]キーの間に位置しています

  • 使用する際は下から見上げる形で撮影されます