トリプルリスクを考える会はこのほど、「現代人の健康と食生活に関する意識調査」の結果を明らかにした。同調査は1月26日~28日、全国の30~60代の男女1,200人を対象にインターネットで実施したもの。
健康診断を定期的に受けているか尋ねたところ、55.5 %は「1年に1度程度」、5.8%は「半年に1度程度」、4.6%は「2~3年に1度程度」と回答した。しかし34.2%は「定期的に受けていない」と答えている。
健康診断に備えてケアしているか尋ねると、約4割以上が事前にケアしていると回答した。どのくらい前からケアしているか聞いたところ、「前日」(27.6%)、「2~3日前」(23.9%)と、前日から2~3日前という回答が過半数を占めた。
健康診断前の食事制限時間を守っているか聞くと、72.8%が「守っている」と回答したが、20.5%は「まったく気にしない」と答えた。健康診断の結果が正常な場合、健康状態は問題ないと思うか尋ねると、83.6%が「問題ないと思う」と答えている。
さらに血圧・血糖・血中脂質が気になるか尋ねたところ、53.0%が「1つ以上気になる」と回答した。しかし実際に血圧・血糖・血中脂質をケアしているか聞くと、1つ以上ケアしている人は32.1%、3つともすべてケアしている人は10.8%だった。
血圧・血糖・血中脂質が気になり始めたのはいつ頃か尋ねると、40代が最も多かった。ケアをし始めた時期についても、40代が最も高くなっている。気になり始めたきっかけを聞くと、男性は「健康診断で悪い結果が出たから」(43.0%)、女性は「メディア等で健康情報に触れて」(40.7%)が多かった。
「血圧・血糖・血中脂質のどれか1つでも該当すると、他の2つも悪くなる可能性がある」という「トリプルリスク」について知っているか尋ねたところ、「内容まで知っている」はわずか5.2%で、9割以上は「知らなかった」または「聞いたことはあるが内容まで知らない」と答えた。トリプルリスクについて知り、対策したいと思ったか聞くと、71.5%は「対策したい」と回答した。
岡部クリニック院長で医学博士の岡部正先生によると、健康診断では空腹時などの条件が限定されていることもあり、「隠れ高血糖」「早朝高血圧」「食後高脂血症」などが見過ごされる可能性があるという。
そのため、「健康診断で異常なしと言われても、生活習慣病予防のために血圧・血糖・血中脂質、それらに影響を及ぼしやすい塩分・糖分・脂肪分の『3つ同時ケア』をすることが非常に大切」と岡部先生は話す。いきなり全部のケアを始めるのではなく、最初は1つから始めて徐々に範囲を増やすなど、着実に継続する工夫が必要とのこと。