大容量冷蔵庫が人気を集めていますが、そのほとんどは冷凍室が真ん中に配置されているタイプ。これは、製氷室(マイナス温度帯)と冷凍室(マイナス温度帯)という同じ温度帯を一か所に集めることで、冷却効率が向上するからです。でも、「我が家は野菜をよく食べるから真ん中に野菜室があるほうがいい! 」という方に朗報です。三菱電機は、野菜室を真ん中にレイアウトしたシリーズを3月30日に発売します。
三菱電機の冷蔵庫といえば、包丁でサクっと切れるくらいソフトに冷凍する「切れちゃう瞬冷凍」、一週間分の食材をチルドや冷蔵室より低温で保存して鮮度を長持ちさせる「氷点下ストッカーD」といった「家事をもっとラクに楽しく」する機能が人気です。しかし、こうした機能よりも重視されているのが、冷蔵庫のレイアウトなのだといいます。
特に、一般的に買い替え時期を迎える10年~13年前の冷蔵庫を使っている人に調査したところ、野菜室が真ん中に配置された冷蔵庫を使用している人が過半数を占めており、そのうち約6割が次回も使い慣れた野菜室が真ん中のタイプを購入したいと答えています。
そこで、三菱電機は従来の冷凍室が真ん中にあるシリーズ(WX/JX/Bシリーズ)に加え、新たに野菜室を真ん中に配置した「MXシリーズ」を3月30日から販売します。
ラインナップは定格内容積572LのMR-MX57D(W685×H1826×D738mm、年間消費電力量は275kWh/年、推定市場価格は40万円前後・税別)と、定格内容積503LのMR-MX50D(W650×H1826×D699mm、年間消費電力量は250kWh/年、推定市場価格は36万円前後・税別)の2製品。
内容量を大きくして、省エネを実現するのは難しい
野菜室を真ん中に配置するということは、製氷室・上部冷凍室(マイナス温度帯)と、下部にある大きな冷凍室(マイナス温度帯)の間に、野菜室(プラス温度帯)を挟むことになるので、冷却効率が悪くなり、多くのエネルギーを消費してしまいます。
冷凍室の冷気が野菜室に伝わると冷えすぎてしまうので、断熱材を追加するといった対策も必要です。ところが、断熱材が増えれば今度は野菜室の容量が狭くなってしまう。まるでジレンマです。
その問題を解決するため、三菱電機は独自技術の薄型断熱構造「SMART CUBE」を採用し、大容量と省エネ性能を両立させました。年間消費電力量は、野菜室を下段に配置した従来モデルと同様、250kWh/年に抑えています。
ちょっと高さのある野菜もしまいやすい
MXシリーズの野菜室は、小物、中物、大物、たて野菜を4つのエリアに分けて整理できます。個人的に気に入ったのは中物エリア。深さがあるのでブロッコリーや半玉のキャベツなど、ちょっとボリュームがある野菜が入り、ブロッコリーやキャベツを見つけやすくなります。たて野菜エリアには、ニンジンやキュウリなどを立てて入れられるのもスマートだと思いました。
3色のLEDを照射して、保存している野菜に含まれるビタミンCの減少を抑える「朝どれ野菜」機能も搭載。効果は従来モデルよりも23%アップしたとしています。
野菜室が真空断熱材に囲まれているので、無駄な冷気が流れ込まず、野菜室全体のうるおいを保つのもうれしいポイントです。さらに、冷蔵庫の野菜室底面のトレイは外して洗えるので、野菜くずや土などが落ちても簡単にお手入れできます。
野菜室? 冷凍室? よく使うのはどっちだ!
ちなみに、一緒に発表会に参加したマイナビニュース編集担当さんから「野菜室が真ん中にあると何がいいんですか? 」と聞かれたので補足すると、個人的には料理の仕方が大きく影響すると考えています。
筆者は調理中、食材を使うたびに取り出して、使ったら冷蔵庫にしまいます。キャベツを半分だけ使ったら、残りはラップに包んで野菜室にすぐに入れる。料理の仕上げにネギを散らすときは、直前に冷蔵庫から取り出して切って、残りはすぐにしまう。するとほかの部屋に比べて開閉回数が多くなるので、野菜室が真ん中にあるほうが取り出しやすいと感じています。
もともと、野菜を使った料理をよく作るので、野菜室の使用頻度が高いのです。また、2Lのペットボトルやお米も野菜室に入れているのですが、取り出すたびに腰に負担がかかります。なので真ん中に野菜室が配置されていると、腰に負担がかかりにくくなりますね。
逆に、使う食材をすべて出して料理する人、野菜を買ってきたら調理して冷凍保存するという人、冷凍食品をよく食べる人は、野菜室よりも冷凍室が真ん中にあるほうが便利だと思います。
冷蔵庫の真ん中は、取り出しやすい位置なので、よく使う部屋をレイアウトしたいもの。三菱電機は今後、冷蔵庫の真ん中に野菜室を配置したモデルのラインナップを増やしていくそう。自分の好みにあわせた冷蔵庫を選べますね。