広告配信やトイレの待ち状況が分かるシスコのデジタルサイネージソリューション
シスコのブースでは、スタジアム/アリーナなどで活用できるデジタルサイネージソリューション「Cisco Digital Solution」を展示していた。
これは、IPマルチキャストストリーミングサイネージで、低遅延のライブ映像配信や多層レイヤ表示による演出、効率的・効果的なリモートコントロールを可能としている。
低遅延配信の仕組みは、衛星放送やケーブルTV、地上波TV、エンコーダー、マルチプレクサー、レシーバーなどからビデオソースを取り込み、IPマルチキャストネットワーク配信し、デジタルメディアプレイヤーを設置したVIPエリアやバー、飲食スタンド、売店、コンコースなどでコンテンツ配信するというものだ。
また、多層レイヤ表示は動画、ウィジェット、静止画など最大5リージョンを表示できる。これにより、スタジアム/アリーナではイベント発生時の特定広告販売、価格変更による販売促進、ライブ映像放映と広告配信の連動、VIPルームでの商品紹介や注文サービスなどが可能。観光・店舗では対話型店舗案内、タイムリーなプロモーション、POS連携などができるという。
実際、デモンストレーションを行ってもらったが、タブレットで広告配信やアクションなどをタップ操作すれば、すぐさまディスプレイに反映され、リアルタイムで情報を得ることを可能としていた。
電子チケットのクラウドサービス「Quick Ticket」でスムーズな入場
最後に向かったのがトランスコスモス傘下で昨年6月に設立したplaygroundのブース。同社は電子チケットのクラウドサービス「Quick Ticket」を提供している。
同サービスは、スマートフォンで購入したチケットをLINEやFacebookやメールなどでチケットのURLを受け取り(複数枚購入した場合は分配することもできる)、事前にクーポンやイベント・会場情報などのコンテンツも配信される。
試合・イベント当日は、送られてきたURLをクリックし、遷移した状態で係員が持つ電子スタンプが押され、入場が可能になるというものだ。これにより、スムーズな入場を可能としており、すでに埼玉西武ライオンズやVリーグ、サンリオピューロランドなどが採用している。
デモンストレーションでは、ものの数秒で入場可となり、チケットのもぎりや試合・イベント当日までに自宅でチケットを管理する必要がないほか、万が一忘れたときはスマートフォンで入場が可能なため、有効であると感じた。
スポーツ×ITの融合は進む
今回、紹介したのは3社のみだったが、ほかにも興味をそそられる展示物があった。例えば、自動車用シートを生産するトヨタ紡織が光と音で気分も盛り上がるシートや、香りの出るシートを出展していた。
さらに、東京メガネはスポーツビジョン研究会の監修の下、スポーツ選手から子供、高齢者まで「視る力」をトレーニングできる「V-Training」などを展示。実際にアスリートがトレーニングするレベルで周辺視(網膜の中心から離れた網膜周辺で見る)のトレーニングを体験してみたが、あまりにもハードルが高く、ほとんど不正解だった。
今回、取材して感じたことはスポーツとITが確実に融合しはじめているということだ。また、日本開催のラグビーW杯や東京五輪における日本選手の活躍にも期待がかかると同時に、観戦する「楽しみ方」が多様化していくのではないだろうか。