ピジョンは3月2日、タイヤ径を大きくすることで、対面走行時でもさらに押しやすくなった新型ベビーカー「Runfee」(ランフィ)を全国で発売する。従来の商品より、歩道などの段差を乗り越えやすくなっている。
さらに操作しやすく、段差乗り越えやすく
ダブルタイヤが主流の日本メーカーの中で、シングルタイヤを採用し、走行性や操作性などが評価されているピジョンの「ランフィ」シリーズ。新型商品では、対面時の前輪のタイヤを16.5cmから18cmに大径化し、段差をよりスムーズに乗り越えられるようにした。赤ちゃんが大きくなり、背面式で使用する際には、後ろにかかる重心をしっかり支えてくれる。
また、ハンドルからタイヤにつながるフレーム構造を見直すことで、対面走行時に押す力がよりダイレクトにタイヤに伝わりやすくなったとのこと。
やわらかく手のひらにフィットし、しっかり握れるという「ギュットグリップ」を搭載して押しやすさを追求したほか、グリップの裏地には通気性が良く、嫌なにおいがしない特殊素材を採用しているという。
シングルタイヤの利点を、さらに向上させたといえる今回の改良。ダブルタイヤに比べると、「重いのでは?」と考えてしまいがちだが、5.3kgというシリーズでは最軽量となる重量も実現させている。
赤ちゃんへの衝撃も軽減
首がすわる前の赤ちゃんをベビーカーに乗せるときに心配なのは、つまずきによる衝撃や路面からの振動が、赤ちゃんに影響を与えないかという点だろう。
その点、同社が行った実験※では、新しいランフィで2.5cmの段差を乗り越えた際の赤ちゃんの頭部への衝撃が、一般的なベビーカー(タイヤ径13.8cm)でつまずいた際の衝撃と比べて、約50%軽減できたという。
「赤ちゃんの頭部への衝撃を軽減するという"赤ちゃん目線"を追求した結果、振動が少なくなり、操作のしやすさという"親目線"も大事にすることができました」(同社開発本部 ベビー大型商品開発部 大口将利チーフマネージャー)。
新ランフィのカラーは「アビスブルー」「ミニマルネイビー」「シュシュグレー」「マニッシュブラック」の4種類。価格は税込5万7,240円で、対象年齢は生後1カ月~36カ月となっている(両対面式、オート4輪切替機能搭載)。
軽量ベビーカーだと操作性や赤ちゃんへの衝撃が心配、かといって、いくら操作性が高くても重すぎるのは気になる……。そんなママにオススメの商品と言えるかもしれない。
※生後3カ月の赤ちゃんを想定したダミー人形をベビーカーに乗せて、一般のママ4名が約5km/hの速度で「対面式」のベビーカーを押し、2通りの高さの段差へそれぞれ接触する。この実験をタイヤ径18.0cmと、タイヤ径13.8cmの2種類のベビーカーで繰り返すことで、「段差乗り越え性」を検証するとともに、段差接触時に「赤ちゃんの頭部にかかる衝撃」を計測。一般のまま東京工業大学 工学院システム制御系 宮崎祐介 准教授の指導のもと実施。