花粉症の低年齢化が進んでいるという昨今。今年もいよいよ、花粉飛散のシーズンがやってきました。子どもがいるご家庭では、どのような対策ができるでしょうか。
今回は、ダイキン工業の野呂朋未さんに空気清浄機の有効な活用法を伺いました。
床上30cmの「赤ちゃんゾーン」は花粉がたまりやすい
――まず、ハウスダストや花粉はどのような場所にたまりやすいのでしょうか?
大きなハウスダストや花粉は、部屋の低いところへたまりやすい性質があります。弊社が行った実験では、赤ちゃんがハイハイをする床上30cm前後の高さにおけるハウスダストの数が、床上160cm前後の高さのハウスダストの数を上回る結果となりました。
小さな子どもの空気環境は、大人が生活する環境と比べると、
(1)花粉が床にたまる
(2)人が動けばホコリが舞う
(3)大きなハウスダストが多い
といった特徴があるので、気を配ってあげましょう。
空気清浄機選びは「適用床面積」に着目しよう
――空気清浄機を選ぶとき、意識したいポイントはありますか?
「いかに室内の空気を効率よく、早く大量に吸い込んで集塵・脱臭するか」がポイントになるので、清浄スピードの目安となる「適用床面積」に着目しましょう。
空気清浄機に表示されている「適用床面積○○平方メートル」とは、「5本のタバコを吸ったときに相当する空気の汚れを、30分できれいにできる広さ」を表しています。そのため、数値が大きければ大きいほど、早く空気をきれいにできることになります。
したがって、「使用する部屋の広さが8畳だから、適用床面積は12畳で十分!」ということではなく、早く室内をきれいにしたいのであれば、この数値が大きいものを選びましょう。弊社としては、お部屋の広さに対して「適用床面積」が3~4倍をお薦めしています。
設置場所は「床に近いところ」「エアコンの対角」
――花粉除去を目的にすると、空気清浄機はどこに置くのがベストなのでしょうか?
花粉が部屋の低いところへ落ちることを考えると、床に近いところに置くのが有効と言えます。また玄関や部屋の出入り口に近い場所に空気清浄機を設置しておけば、外から入ってくる花粉の除去が期待できるので、効果が高くなります。
ちなみにタバコの煙やニオイは上方に行く特性があるので、これらを除去したい場合は少し高めの位置に置いた方がいいでしょう。
――空気清浄機を設置する時に気をつけた方がいいことはありますか?
まず、吸い込み口や吹き出す方向に空気の流れの障害となる物を置かないようにしましょう。空気がきれいになるまでに時間がかかったり、運転効率が悪くなるので電気代がかかったりしてしまいます。
またエアコンが部屋の角にある場合は、その対角に設置するようにしましょう。エアコンの気流との相乗効果によって、部屋の空気の流れがよくなり、効率よく空気をきれいにすることができます。
換気扇も回すとより空気がきれいに保てる
――1日の中ではどのタイミングで、空気清浄機を稼動させたらいいでしょうか?
小さい子どもがいるご家庭では特に、24時間運転が理想です。先ほどお伝えした通り、子どもの生活エリアである床に近い部分ほど、空気の汚れがたまりやすいからです。弊社の例でいえば、24時間運転していても電気代は1日10円以下に収まります。
また特に窓を開ける機会が少なくなる冬の時期は、換気を頻繁に行うことができず、花粉もホコリも常に室内に存在してしまいがちです。空気清浄機を回していても、換気扇を動かして換気した方がより清潔な状態を保てますよ。
フィルターの掃除は2週間に1回が理想
――効率よく空気清浄するためにも、フィルターの掃除は欠かせないと思うのですが、どれくらいの頻度で、どのように掃除するのが理想ですか?
吸気口に取り付けられているプレフィルターに関しては、約2週間に1度、掃除機でホコリを吸い取るようにしましょう。汚れがひどい場合は水洗いをして乾燥させてください。
プレフィルターの次に取り付けられていることが多い集塵フィルターは、お掃除不要です。メーカーによって定められた寿命を目安に交換してください。
また最も奥側に取り付けられている脱臭フィルターは、汚れが気になるときに掃除機で吸い取りましょう。水洗いはせず、ニオイが気になる場合は表面を霧吹きなどで軽く湿らせてから風通しの良い日陰で乾かしてください。
――加湿機能が付いている空気清浄機の場合、他に掃除した方がいいところはありますか?
加湿トレー、加湿フィルターのお掃除が必要です。約1カ月に1度、水洗いをしてください。ニオイや汚れがひどい場合は、つけおきをお薦めしています。
チャイルドロックを利用しよう
――最後に、小さい子どもがいる家庭で空気清浄機を使う際に、気をつけたいことがあれば教えてください
吹き出し口の位置を気をつけてあげるといいかもしれませんね。お子さんに風が直接当たって肌が乾燥してしまわないように、風向きを調整しましょう。
また機種によってはチャイルドロックが付いているものもあるので、子どもが誤って操作してしまわないよう、利用すると安心です。