仮想通貨に興味を持っている人の多くは、「仮想通貨は果たして儲かるのか」ということが何よりの関心事ではないでしょうか。最近は、仮想通貨で「億り人(おくりびと)」となった人を、テレビの特集などで頻繫に目にするようになりました。

  • ビットコインは儲かるのか?

そうなると、「自分も仮想通貨を投資目的で始めてみたい」と思いますよね。しかし、仮想通貨は本当に儲かるのでしょうか。今回は、仮想通貨の中でも最もポピュラーな「ビットコイン」のこれまでと、将来性についてまとめてみました。

ビットコインの現状とは

ビットコインは、現在、取引高や時価総額がトップの仮想通貨です。最初に作られた仮想通貨であり、アルトコイン(ビットコイン以外の通貨)の基軸通貨として採用されています。つまり、何かアルトコインが欲しい時には、まずビットコインを購入する必要があるということです。また、アルトコインを日本円などに換金する際も、まずはビットコインに換えなくてはなりません。

このように、ビットコインは仮想通貨の取引において重要な役割を果たしており、現状で確固たる地位を築いていると言えます。仮想通貨にあまり詳しくない人でも、ビットコインの名前だけは耳にしたことがあるでしょう。

また、国内の仮想通貨で決済できる店舗は増えつつありますが、ビットコインを利用できる場所が最も多くなっています。たとえば、大手旅行代理店の「HIS」では、一会計あたり上限200万円までビットコインの支払いが可能です(bitFlyerのシステムの場合)。クレジットカードの支払い限度額と同じ程度の金額がビットコインで決済できるようになってきており、今後ますます利用シーンが増えていくことが予想されます。

身近な存在になりつつあるビットコインですが、現状では、投資を目的とした取引に注目が集まっています。数年ほど前までは、これほど話題にのぼることもなかったビットコインをはじめとする仮想通貨。それが、昨年頃から様々なところで「仮想通貨」のワードを目にするようになり、2017年は「仮想通貨元年」と呼ばれるほどの存在感を示しました。

たとえば、2017年にビットコインにはどのような動きがあったのでしょうか。仮想通貨で大きな利益を上げた人の「寝ているだけでお金がどんどん増えていく」という言葉に衝撃を受けた人も多いでしょうが、実際のところ、まだ発展途上であるビットコインを巡っては、予想外の出来事も多々起こっていました。

2017年1月は、昨年末から始まった仮想通貨のテレビCMの影響で、ビットコインや仮想通貨について人々が認知し始めるようになりました。年末から上昇トレンドの続いていた4日、ビットコインは1BTCが約15万円とそれまでの過去最高額まで値を上げたものの、5日には下落に転じ8万円台まで下がる波乱の展開となりました。これは、中国人民銀行が国内取引所の立ち入り検査を決行した影響によるものでした。

4月には、「改正資金決済法(別称:仮想通貨法)」が施行されて法律が整備されたことを受け、ビットコインはよりお金に近い存在となりました。国内大手企業でビットコインによる支払いが可能となり、ビットコインの価格は緩やかに上昇しています。

改正資金決済法の施行により、5月にはビットコインの価格はどんどん上昇を続け、25日には34万円台にまで達しました。しかし、2日後の27日には20万円台まで急落することに。ビットコインの分裂問題が取り上げられるようになったことが懸念材料になったと考えられています。

そして8月には、ビットコインから「のれん分け」する形で、新通貨「ビットコインキャッシュ」が登場しました。うまく分岐したことや、ビットコインの性能が向上したことは、値上がり要因となりました。10月下旬には、1BTCが70万円を突破。様々な出来事が引き金となり、ビットコインの値段は激しく上下したことがわかります。

このように、2017年に起きたビットコインを取り巻く主な出来事を挙げてみましたが、これ以外にも、毎月何かしらの動きがありました。この1年で、ビットコインや仮想通貨の環境は目まぐるしい変化を遂げ、それに振り回された投資家も多いことでしょう。それでは今後、ビットコインに投資したところで儲かる可能性はあるのでしょうか。

ビットコインの今後は?

ビットコインを含む仮想通貨の市場がこれからどのように成長していくかは、予想することしかできません。「どの通貨に投資すれば儲かるのか」ということも同様で、それぞれの通貨のメリットやデメリット、成長性を見比べて最適だと思うものに投資するしかないのです。

では、ビットコインはどうなのかというと、ビットコインは「仮想通貨と言えばビットコイン」というくらいの地位を確立していますし、基軸通貨である限りそのポジションが変わる可能性は少ないと考えられます。

さらに、仮想通貨やビットコインの市場に参加している人は、まだ全人口のうちわずかな数。今後、今以上に仮想通貨が一般的な存在になれば、ビットコインの価値は上昇していくはずです。一方で、ビットコインよりさらに優れたアルトコインが次々に登場し、存在感を増していることも事実です。これらのアルトコインがビットコインを追い抜く可能性もあり、そうしたコインに投資したほうが伸びしろが期待できるといった見方もあります。

いずれにしても、仮想通貨の市場は、数週間前とは全く違う状況が当たり前というくらい刻一刻と変化しています。それらの動きを見逃すことがないよう、しっかり注視していくことは必須と言えます。

ビットコインの価格が今後どうなるかは、ビットコインに係る法整備の進展や問題点の解決、アルトコインの台頭や利用できる店舗の広まり、人々の関心など、様々な視点から分析していく必要がありそうです。投資目的で購入を考えている場合は、これらの要素を注意深く観察していくようにしましょう。