「本気」の読み方は「ほんき」?「ほんいき」?

「本気と書いてマジと呼ぶ」、昔、そんな言葉が流行ったこともありましたが、みなさんは今、「本気」をどう読みますか? 実は最近、「ほんいき」と読む若者が増加中とか……。そこで今回は、「本気」という言葉について改めて調べてみました。

■「本気」の読み方と意味

「本気」という言葉は、「ほんき」と読むのが正解です。意味は、真面目な気持ちや、そのような気持ちでいる状態のことを表します。ちなみに、「ほんいき」という言葉は、一般的な国語辞典には掲載されておりませんでした。

■なぜ、「ほんいき」と読むのか

若者を中心に「本気」を「ほんいき」と発音する人が増えているようですが、調べてみたところ、落語や舞台の世界で使われる舞台用語に、「本意気」「本息」という言葉があることがわかりました。いずれも本番ではなく、稽古で使われる言葉で「本番と同じような気持ちで」「本番と同じ息(息継ぎや間)で」という意味だそうです。

また、「バラエティ番組で『ほんいき』という言葉を耳にするようになった」という人が多いことから、おそらく、舞台や落語経験のある芸人さんが「本意気(ほんいき)でやります!」と発言したのを、本来の意味を知らない人たちが、「本気」を強調する意味合いで使うようになったのではないかと推測されます。

■ビジネスシーンで「ほんいき」はアリ?

「ほんいき」のきっかけが、舞台用語やバラエティ番組にあるかは断言できませんが、「本気」を強調する意味合いで使われていることは確かです。あえて「ほんいき」と発音することで、「本気」のさらに上の状態を表現しようという気持ちは解からなくもありません。昔の「本気=マジ」も同じようなものですから。しかしながら、目上の人やビジネスシーンで「マジ」を使うことは有り得ません。

「本気(ほんき)」という言葉だけで、十分に想いは伝わるものです。それでもより強い想いを表現したいのであれば、言葉よりも態度で示すべきではないでしょうか。ビジネスの世界では、どんなに立派な言葉を並べても、態度が伴わなければ信用を得ることはできません。結果が伴わなければ、認めてはもらえません。

社会人として、正しい日本語を使うのは当たり前のことであり、マナーでもあります。間違った日本語を使って評価を下げることのないよう、気を付けましょう。