読み方が間違っていて、パソコンで正しく変換されなかった。社会人になって、そんな経験をした人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、読み方を間違いやすい言葉の一つ、「雰囲気」についてご紹介します。
■「雰囲気」の意味
「雰囲気」とは、その場やそこにいる人たちが自然に作り出している気分やムードのことです。化学の世界では、天体をとりまく空気や大気のことを指します。
■読み方は「ふんいき」
「雰囲気」の正しい読み方は、「ふんいき」です。漢字を一字ずつ素直に読めば、間違えようがありません。しかしながら、これを「ふいんき」と読む人が多くいるようです。なぜでしょう?
実際に「ふんいき」と発音してみると、少々言いづらいと感じる人も多いのではないでしょうか。「ん」の次に「い」が来るのが発音しづらく、自然と「ふいんき」と言ってしまうようです。また、聞こえ方も不思議なもので、「ふんいき」と言われても、なぜか「ふいんき」と聞こえてしまうこともあります。特に、小学生くらいまでは漢字が分からないので、聞こえるがまま「ふいんき」と発音する子どもがほとんどで、中学生になって「雰囲気」という漢字を習ってはじめて気付く子が多いとか。それでも「ふいんき」と発音したまま大人になる人は多く、また、どちらの発音でも「雰囲気」と周囲は認識するため、会話の流れを止めてまで「今、何て言った?」と指摘する人は少ないでしょう。
このように、本来の発音と違っていても、会話するには何の支障もない言葉はほかにもあります。例えば、「体育」を「たいく」と発音していませんか?「体育祭」「体育着」「体育教師」などはどうでしょうか。もう一つ、「全員」という言葉はどう発音していますか?「全員一致」「全員戻りました」など、実際には「ぜーいん」と発音している人が多いように思います。
もちろん、「ふいんき」「たいく」「ぜーいん」はいずれも誤った読み方です。そのままパソコンに入力しても、正しく変換されません。職場で恥をかくことのないよう、気を付けましょう。
■雰囲気の例文、正しい使い方
「人」が作りだす雰囲気
・「終始、和やかな雰囲気で会談が進んだ」
・「緊迫した雰囲気の中、救出作業が行われた」
・「社長室は、重苦しい雰囲気に包まれていた」
「物」が作りだす雰囲気
・「和の雰囲気が漂うお店でもてなそう」
・「照明を変えて、店内をもう少し落ち着いた雰囲気にしましょう」
たとえ会話に支障がなくても、誤った読み方を堂々と使用するのは、社会人としていかがなものでしょう。日常会話では「ふいんき」と言ってしまうことがあっても、大事なプレゼンや会議、お客さまや取引先の前では、正しい発音を心がけた方が良いでしょう。