NHK後期連続テレビ小説『わろてんか』(毎週月~金曜8:00~)に、松坂桃李からバトンタッチして登場した成田凌。最愛の夫・藤吉(松坂桃李)を失ったてん(葵わかな)は、いよいよ女興行師として奮闘していくことに。成田が演じるのは、アメリカから帰国した息子・隼也だ。

また、死ぬ前にいろんな人と交流し、多くのものを残していった藤吉が、なんといきなり再登場したことも、お茶の間で話題となった。

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    葵わかな演じるてん(左)と成田凌演じる息子・隼也

■成田凌、藤吉のDNAをしっかり受け継ぐ

実年齢が24歳である成田凌は、19歳の葵わかなより5つも年上だ。でも、藤吉亡き後のてんには、夫婦二人三脚で大きくした北村笑店を自分の手で切り盛りしていくという覚悟が生まれたようで、なんだかドーンと肝がすわった感じ。座長である葵自身の気合も、これまで以上に伝わってくる。

どうやら隼也は、アメリカで2年間生活したことで、ちょっとスノッブさと生意気さが加わったよう。自信たっぷりに笑いについて語る隼也は、父である藤吉にそっくりだと評判だ。どこか自信過剰な性格はもとより、成田は松坂同様に180cmオーバーとタッパがある点も父親譲りな感じがして説得力がある。

隼也は、リリコ(広瀬アリス)と四郎(松尾諭)という凸凹“迷”コンビを見て、「ミス・リリコ アンド シロー」と命名したり、2人の衣装のアドバイスをしたりと、なかなかナイスなアイデアを提案。北村笑店の跡取りとしての存在感をちゃんとアピールしている。

隼也は今週からは、風鳥亭で下働きをすることになった。お茶くみをしている姿がなんだか健気だが、どうやらこの先、アメリカでの修行を生かすことができず、ストレスを募らせていくようで心配。

なんとなく、心強い伊能(高橋一生)の“鶴のひと声”(『おんな城主 直虎』でも鶴だった)が出そうな予感がする。でも、ここへ来てたくましくなったてんが、リリコと四郎のいざこざの時と同様に、「向き合いなはれ!」とたんかを切ることになるのかもしれない!?

■待ってました! 松坂桃李のアンコール登場

やはりてんと共にこれまで物語を牽引してきた、いや、大いにかき回してきた藤吉の穴はでかい。女性の人気を支えるイケメン枠としては、てんと付かず離れずで伴走している伊能役の高橋一生がいるが、やはり人気絶頂の松坂をこのままあっさり退陣させることは非常に痛い。

と、思っていたらいきなり「アンコール登場」ときた(笑)。脚本家・吉田智子のこういうドッキリ、嫌いじゃない。この不意打ちにはきっと視聴者もびっくりしたのではないだろうか。

藤吉が現れたのは、ぎくしゃくしっぱなしのリリコと四郎の迷コンビが解散の危機に陥った時だった。てんは藤吉の仏壇の前で「女興行師になろうやなんて、うちにはやっぱり無理やったんやろか」と弱音を吐く。そこに、藤吉がひょっこり再登場!

登場のし方がこれまた憎い。いきなりてんの小さな手に大きな手が覆いかぶさったのだ。ちなみに長い爪と手の大きさをひと目見ただけで、藤吉だとわかった。松坂は、以前NHKの情報番組『あさイチ』に登場した際にも語っていたが、人並み外れて爪が大きいのだ。

視聴者同様、さすがにてんも驚いたようで「ひやああ!」と声を挙げてしまう。死後、何度も遺影で出演していた藤吉だが、ここでは霊として現れ、ずっとひとりで奮闘してきたてんをねぎらう。

個人的には「待ってました!」だったが、今週もその再会場面がしっかりインサートされていた。やはり藤吉はずっとてんのそばにいて、夫として妻をサポートしていくんだなと、妙に納得。

そんな藤吉がそっと見守る中で、てんと隼也の親子がどれだけ北村笑店をビッグにしていけるのか? 広瀬アリスと松尾諭との「美女と野獣」ばりの迷コンビにも期待したい。

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(C)NHK