今まで嗅いだことのある"臭いモノ"の中でワースト1と言えば……アレかな、いやアレかなと、いくつか思い当たるものがあるだろう。でも、池袋パルコで2月25日まで開催中の「におい展」に行けば、必ずあなたのワースト1が更新されるに違いない。
以前、名古屋で開催されて話題を呼び、東京でも開催されることになった同展。展示されるのは、世界中から集めた品々の"におい"。香水の原料、花々、コーヒーといったいい匂いはもちろん、テレビの罰ゲームでおなじみの激臭まで、バリエーション豊かな"におい"を体感できる。
10時のオープンと同時に会場入りしたのだが、さすが話題の展覧会とあって会場にはすでに大勢の来場者。ファミリーからカップルまで老若男女が、匂いに酔いしれ、臭いに悶絶していた。ここからは、筆者が独断と偏見で選んだ"激臭ワースト5"の展示を紹介していきたい。
ワースト5「ドリアン」
"フルーツの王様"と称されることもあるが、公共施設への持ち込みが禁止されているほど臭い「ドリアン」。よく「とにかく臭い果物」と聞くが、実際嗅いだことはなかったので、興味津々で嗅いでみると……
うーーー臭い! 例えるなら、ヨレヨレになるまで使い込んだ雑巾って感じだろうか。とてもフルーツとは思えない激臭。おいしいのかもしれないが、東南アジアの美女に「これを食べて」と差し出されても、ちょっとムリかも。
臭い度★★★★
不快度★★
嗅ぎたくない度★★★★
ワースト4「臭豆腐」
これも「臭い臭い」とはよく聞いていたが、実際に目の前にしたのは初めて。台湾の名物グルメ「臭豆腐」は、現地でも賛否両論があるいわくつきの食べ物とのことだ。名前に"臭"って付いてるし、相当臭いんだろうなと思いながら嗅ぐと……
やっぱり臭い。臭いとしか言いようがない。アンモニア系と腐敗系の臭いがいい具合にミックスした感じ……。納豆菌の入った液に豆腐を漬け込んで発酵させたものらしいが、人工的にこれほど臭いものが作り出せるのか……と変に感心してしまった。
臭い度★★★★★
不快度★★★
嗅ぎたくない度★★★★
ワースト3「足のにおい」
身の回りにもいるのではないだろうか? 足のにおいが臭い人。座敷の居酒屋に行ったりすると、たまに強烈な臭いを放つ暴力的な足に遭遇したりする。普段なら絶対に自らすすんで嗅いだりしないのだが、せっかくだから嗅いでみると……
不快感がすごい。臭いって言うか、不愉快。思いっきり気分を害する臭いだった。例えるならば、部屋干しの洗濯物を100倍臭くしたような感じ。
臭い度★★★
不快度★★★★★
嗅ぎたくない度★★★★★
ワースト2「シュールストレミング」
テレビの罰ゲームでもお馴染みの"世界一臭い食べ物"と悪名高い「シュールストレミング」。スウェーデンで作られる塩漬けニシンの缶詰で、会場でも最も臭い展示として紹介されていた。正直、嗅ぐのが怖い……恐る恐る嗅いでみると……
……絶句。一応、これも仕事なのでレポートを書くために他の展示は我慢して何度か嗅いだのだが、これは1度が限界だった。しかも、目に沁みる……。その臭いはベースこそ"魚の腐った臭い"なのだが、それをはるかに超越した暴力的な臭い。どう頑張っても、食べられる気がしない。
臭い度★★★★★☆☆
不快度★★★★
嗅ぎたくない度★★★★★☆
ワースト1「加齢臭」
これは個人差があるだろうが、"世界一臭い食べ物"を上回るほど臭い、いや辛いと感じたのが"加齢臭"。そう、おじさま方が身にまとうアノ臭い。正直、"加齢臭の展示"ってどうなの? って感じだが、勇気を出して嗅いでみた。
嫌悪感MAX。「あぁ……終電間際の電車でこんなおじさんいたなぁ」と、思わず苦い記憶がフラッシュバックしてしまった。そんな日常で遭遇する恐れがある、リアリティに満ちた激臭だったこともあって、筆者のワースト1に選定。
臭い度★★★★
不快度★★★★★☆☆
嗅ぎたくない度★★★★★☆☆
余談だが、会場を出てお昼ご飯を食べても「あれ、これカメムシの臭いっぽい?」、街を歩いていても「あれ、この匂いは臭豆腐?」と、かなり余韻が後を引く……。会場では、それほどまで刺激的な"におい"たちと出会うことができる。ぜひ、あなたの"臭いモノ"ワースト1を見つけて欲しい。
「におい展」は、場所は東京・池袋パルコの本館7階イベントスペース、会期は開催中~2月25日、時間は10~21時(入場は閉場の30分前、最終日は~18時)、入場料は当日券800円となっている。