東日本電信電話とバカンは2月19日~3月22日、IoTとAIを活用し、成田国際空港内のフードコート(第3ターミナル)、吉野家(第2ターミナル)、北ウェイティングエリア(第2ターミナル)の各施設の空席状況をデジタルサイネージやスマートフォンへ一覧表示する共同実験を実施する。

  • 実証実験イメージ

    実証実験イメージ

商業施設内の飲食店のリアルタイムでの混雑状況は、実際にその場に足を運ばなければ把握できず、急いでいる人や店選びに手間をかけたくない人にとって、効率的に店舗を選択することが難しいという課題がある。特に成田空港では、第2ターミナルの北ウェイティングエリアから第3ターミナルのフードコートまでは徒歩で15分程度の距離がある。そのため例えば、早朝のLCC便を利用するため北ウェイティングエリアで過ごす人が、滞在場所の選択などに困るということも起きている。

今回の取り組みでは、IoTとAIの活用により空席状況をリアルタイムで解析・配信することで、利用者の滞在場所選択の際の負担を軽減するとともに、送客促進による空港施設内各飲食店の集客拡大に向けた実証実験を行う。この取り組みは、国内空港では初の取り組みとなる(東日本電信電話・バカン・成田国際空港調べ)。

実施方法は、成田国際空港内のフードコート(第3ターミナル)、吉野家(第2ターミナル)、北ウェイティングエリア(第2ターミナル)にカメラやセンサーを配置し、画像データやセンサーデータを取得する。AIを活用した画像データの解析結果やセンサーデータから割り出した3施設の空席情報を、空港内6カ所に設置したサイネージへ一覧表示する。また、空席情報はWeb上にも表示し、利用者が所有するスマートフォン等からも確認できる。これらの取り組みにより、技術検証および集客拡大についての効果測定を行う。

カメラやセンサーの設置場所は、空港第2ビル駅 改札外コンコース(1台)、北ウェイティングエリア内(2台)、第2ターミナル1階北側(1台)、第3ターミナルフードコート(2台)を予定している(設置場所は変更となる可能性がある)。

  • 各施設の空席状況をデジタルサイネージやスマートフォンへ一覧表示

    各施設の空席状況をデジタルサイネージやスマートフォンへ一覧表示

東日本電信電話は、「フレッツ光」「ギガらくWi-Fi」「ギガらくサイネージ」「ロボコネクト」「SotaTM」の提供および運用サポートを実施する。バカンはIoTとAIを活用し、店内の混雑状況を検索できる空席情報検索プラットフォーム「VACAN」(バカン)の提供を行う。

この取り組みでは、店舗内といった閉鎖的な空間だけでなく、人通りが多いオープンエリアでも実証実験を実施することで、高度な混雑把握技術の検証を行い、幅広い商業施設で活用可能なことを実証する。また、混雑把握技術による商業施設内飲食店の混雑率や、「ギガらくWi-Fi」の機能活用による集客数の集計を行うことで、同実証実験による成田空港内各飲食店の集客拡大の検証を行う。

3施設の空席情報をリアルタイムでデジタルサイネージやスマートフォンに一覧表示するほか、各施設への行き方等については、英語にも対応したコミュニケーションロボット「SotaTM」による音声案内も実施することで、顧客満足度の向上につなげる。

今後の展望として東日本電信電話とバカンは、幅広い商業施設での本ソリューションの展開拡大を行うとともに、混雑把握技術の向上、収集したデータの更なる活用ができる仕組みづくりを実施し、様々な分野における次世代のIoT・AIソリューションとして発展させていく。