中村キース・ヘリング美術館(山梨県北杜市)は2月9日~11月11日まで、「Drawing Social Impact キース・ヘリング:社会に生き続けるアート」展を開催する。開館時間は9~17時。休館日は4月16日。
キース・ヘリングは、ウォーホルやバスキアなどと同様に、1980年代のアメリカ美術を代表するアーティスト。同館では、創設者中村和男氏が1987年よりコレクションしている約200点のキース・ヘリングの作品を展示している。展示空間はキース・ヘリングと彼が駆け抜けた時代の「光と影」を根底とした空間で構成されているという。
同展は、キース・ヘリング生誕60年記念して実施するもの。新しく収蔵作品に加わる1990年の作品《オルターピース:キリストの生涯》も初公開する。同作は、キース・ヘリングが亡くなる1990年2月16日の数週間前に完成させた最後の作品で、死を目前にしたヘリングの平和への願いと希望や、生命の力が刻まれた作品となっている。
その他の見どころとしては、「ヘリングが表現した80年代と未来へのメッセージ」が挙げられる。地下鉄のグラフィティ、ポスターアートなどあらゆるメディアを使い自身の思想を社会に発信し続けたヘリングが、どのように社会を捉え未来を見据えていたのか探ることができるという。
昨年、ミラノのパラッツォ・レアーレで開催された大回顧展「Keith Haring About Art」でも展示され、大きな話題となった《無題(ピープル)》も展示する。同作は3平方メートルを超える布に縦横無尽に人々が描かれたもので、同館のコレクションの主幹となる作品。
同館では学生時代に制作した展覧会のためのポスター、アクティビズムの隆盛を極めた晩年のポスターまで、キース・へリングが手掛けたポスターも数多く所蔵している。時代背景をふまえながらヘリングのポスター・アートの変遷をたどることができるとのことだ。
同館では一部の作品を除き館内外撮影可能となっている。なお、館内はフラッシュの使用および動画の撮影は不可。
入館料は、一般1,000円、シニア900円、学生700円、13~18歳500円(すべて税込)。