ティーピーリンクジャパンは2018年1月30日、都内で発表会を開催し、新たなハイエンド無線LANルーター「Archer C5400X」を2018年4月上旬に、ミニスマートWi-Fiプラグ「HS105」を2018年3月下旬に発売することを発表した。店頭予想価格(税込)は、Archer C5400Xが50,000円前後。HS105は4,500円前後となる。

トライバンドで無線LAN環境を向上させる「Archer C5400X」

PCゲームを快適にプレイすることを目的にデザインしたゲーミングPCは、通常であれば有線LANを使ってネットワーク接続するが、スマートフォン用ゲームも増え、無線LAN(Wi-Fi)環境もハイエンドなルーターが求められるようになった。

  • ティーピーリンクジャパン、Archer C5400X

    ハイエンド無線LANルーター「Archer C5400X」

その声に応えるティーピーリンクジャパンは、1.8GHz駆動のクアッドコアCPUと、無線LANのバランスを取る3個のコプロセッサー、1GBメモリーを搭載し、2.4GHz(理論値最大1,000Mbps)と5GHz(理論値最大2,167Mbps)×2のトライバンド接続に対応するArcher C5400Xを発表した。1本の5GHzをゲーム専用に割り当て、残りの2バンド(帯域)を通常使用すれば、効率的かつ快適なネットワーク環境を実現できる。

  • ティーピーリンクジャパン、Archer C5400X

    Archer C5400Xの主なスペック

重量は1.5kg、サイズは240.5×240.5×55.3mmながら、目を引くxのはその外見だ。8本の外部アンテナはネジで固定せず差し込み式を採用する。赤色と黒色で統一したゲーミングPC風デザインは、PCゲームをプレイするためにPC本体やマウスの彩りにこだわりを持つ方も気に入るのではないだろうか。

側面の一方にはUSB 3.0ポート×2を備え、個人用ストレージとして利用できる16GBの内蔵フラッシュストレージとともに、USB-HDDの接続が可能。ストレージ上のファイルへは、近日公開予定のアプリ「FileBank」でアクセスできる。

別の側面には10/100/1000MbpsシールドWANポートを1つ、ギガビットLANポート×8つを備えているが、LAN2&LAN3ポートもしくはWAN&LAN2ポートをまとめることで2Gbpsの通信を可能にするリンクアグリケーションに対応している。最近では下り2Gbpsに対応するFTTHサービスも増えつつあるため、より高速な回線を欲するユーザーの興味を引くポイントとなるだろう。

  • ティーピーリンクジャパン、Archer C5400X

    Archer C5400Xの側面にはUSB 3.0ポート×2を備える

  • ティーピーリンクジャパン、Archer C5400X

    別の側面には8つのギガビットLANポートを用意。リンクアグリケーションもサポート

注目したいのは、コプロセッサー搭載とBroadcom製チップで実現した「レンジブースト」、「ビームフォーミング」。前者は無線LANの感度を改善し、障害物や遠く離れたデバイスとの接続性を強化するというもの。後者は各デバイスに向けて指向性の無線LAN電波を送信することで接続性を高めている。ティーピーリンクの製品には、無線LANの範囲を親子ルーターでメッシュ状に拡大する「DECO」などもあるが、個人で使うなら1台で管理したほうが簡単だろう。

既存製品で採用済みの「エアタイムフェアネス」は、新しいネットワーク規格に対応していない古いデバイスと新しいデバイスが混在した環境でも、タイムスライシングを調整することで存分にネットワークパフォーマンスを引き出す機能。また、スマホアプリ「Tether」で初期設定時のSSID選択やパスワード入力を不要にし、パケットの暗号化と認証を個別ユニットで処理することで、VPNサーバーの速度を最大5倍まで向上させる「VPNアクセラレーション」や、特定アプリの優先順位や包括的なセキュリティを実現した「HomeCare」も搭載する。

  • ティーピーリンクジャパン、Archer C2300

    1月30日発売のミドルレンジ無線LANルーター「Archer C2300」。店頭予想価格(税込)は15,500円前後

単体で無線LAN接続し、つないだデバイスの電源を制御

もう1つの新製品、ミニスマートWi-Fiプラグ「HS105」は、本体の電源ソケットに何らかの機器の電源を差し込むことで、スマホアプリ「Kasa」から接続した機器の電源オンオフやスケジュール動作を実現する。例えば、HS105に部屋のライトスタンドなどを接続し、「おでかけモード」を使えば、ライトのオンオフを自動的に切り替えるため、空き巣の抑止力になるだろう。

HS105は本体1つで無線LANに接続し、延長タップやハブを別途必要としないため、リビングなどインテリアを優先したい部屋にも設置できるだろう。また、Amazon AlexaやGoogleアシスタントに対応し、音声での制御も可能だ。

  • ティーピーリンクジャパン、HS105

    ミニスマートWi-Fiプラグ「HS105」

  • ティーピーリンクジャパン、HS105

    HS105を手のひらにのせた状態。そのコンパクトさがわかる

発表会の展示で個人的に興味を引いたのは、日本未発売のスマートWi-Fi LEDライト「LB110」「LB130」だ。両者とも、時間と用途に合わせて光の加減を自由に変更できるLEDライトだが、前述したKasaを使って制御し、シチュエーションや気分に応じた光度の変更や、リアルタイムで消費電力の確認もできる。

LEDだけあって消費電力も低く、60Wの白熱電球と比べて、最大80%の電力消費を削減するという。なお、HS105と同じく無線LANに単体で接続し、Amazon AlexaとGoogleアシスタントをサポートする。LB130は、色合いの調整と光度調整も可能だ。柔らかい白色(2500K)から昼光(9000K)まで対応し、日出や日没の時刻に合わせて自動的調整する「体内時計モード」も備える。こちらは2018年夏の発売予定だ。

  • ティーピーリンクジャパン、LB110、LB130

    スマートWi-Fi LEDライト「LB110」「LB130」

また今回、ティーピーリンクは、プロeスポーツチーム「DetonatioN Gaming」と公式スポンサー契約を結んだことも発表した。ティーピーリンクジャパンの李超殻氏は、「No.1を目指す我々とDetonatioN Gamingは共通している。ハイエンド製品を継続的に投入し、ゲームを愛する消費者にArcher C5400Xの能力を体験してほしい」と述べた。

DetonatioN Gaming CEO 梅崎伸幸氏も、「無線LANルーター関係の後援者は初めて。世界No.1を狙うため、普段の練習から本番さながらの安定しているネットワーク環境の準備は課題の1つだ。eスポーツ分野でティーピーリンクジャパンとともに世界を目指す姿勢を示したい」と意気込みを語った。

DetonatioN Gamingに所属するDustelBox選手はArcher C5400Xについて、「ゲーマーらしいデザイン。ゲーミングPCと並べると気合いが入る。初めて無線LANでPCゲームをプレイしたが、有線LANに近い感覚でプレイできた」と使用感を語った。同じくDetonatioN Gaming所属のtatuki217選手も、「通常のルーターにはない雰囲気。赤色と黒色が気に入った。(スマホゲームのプロゲーマーのため)ちょっとしたタイムラグで負けてしまうが、Archer C5400Xはノンストレスでプレイできた」と感想を述べていた。

  • ティーピーリンクジャパン、DetonatioN Gaming

    左から、DetonatioN Gaming DustelBox選手、ティーピーリンクジャパン 支店長 李超殻氏、DetonatioN Gaming CEO 梅崎伸幸氏、DetonatioN Gaming tatuki217選手

阿久津良和(Cactus)