16作品がそろった2018年の冬ドラマ。今回もドラマ解説者の木村隆志が、全作品の初回放送をウォッチ。俳優名や視聴率など「業界のしがらみを無視!」したガチンコでオススメ作品を探っていく。

別記事(「冬ドラマ高視聴率は1話完結ドラマに集中! 連ドラの静かな危機とは?」)において、2018年冬ドラマの主な傾向を[1]主演俳優の若返りとルックス回帰 [2]壮絶な過去やトラウマを持つ主人公 [3]高視聴率は一話完結に集中 の3つと分析。おすすめドラマとして、『海月姫』(フジテレビ系 月曜21時)、『リピート』(日本テレビ系、読売テレビ 木曜23時59分)、『anone』(日本テレビ系 水曜22時)、『アンナチュラル』(TBS系 金曜22時)、『オー・マイ・ジャンプ!』(テレビ東京系 金曜24時12分)の5本を選んだ。

本記事では、それらを含む全作品のショートレビューと、目安の採点(3点満点)を挙げていく。

芳根京子

芳根京子

『海月姫』 月曜21時~ フジテレビ系

出演者:芳根京子、瀬戸康史ほか
寸評:映画版のように漫画原作をなぞるのではなく、恋心を丁寧に描いた連ドラらしい脚色に好感。脂の乗り切った石川淳一監督の演出と高次元で融合している。三角関係+シンデレラストーリーで恋愛純度は高く、キャラ劇の楽しさも含め、若年層を開拓。月9では近年一番の出来か。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

栗山千明

栗山千明

『FINAL CUT』 火曜21時~ フジテレビ系

出演者:亀梨和也、藤木直人、栗山千明ほか
寸評:カンテレ+ジャニーズ=リベンジ。テレビ業界の問題点をあぶり出す自傷的な展開も含め、「カンテレ制作ならでは」で安定感あり。ただ、「ファイナルカット」を仕かけるパターンが、単なる盗撮なのが気になる。主人公の怒りもまだまだ浅く、早期のヒートアップが必要。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

吉岡里帆

吉岡里帆

『きみが心に棲みついた』 火曜22時~ TBS系

出演者:吉岡里帆、桐谷健太、向井理ほか
寸評:星名(向井)のエキセントリックなキャラ設定は、TBS火10の十八番。ヒロインがトラウマから脱出する姿を視聴者が応援したくなるか、単に嫌悪感で終わるか、紙一重で不安が残る。ホラーテイストの演出は、『あなそれ』の涼太や麗華の静かな怖さと比べるとインパクト弱め。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

広瀬すず

広瀬すず

『anone』 水曜22時~ 日本テレビ系

出演者:広瀬すず、田中裕子ほか
寸評:脚本・坂元裕二×演出・水田伸生が作るドキュメントタッチの会話劇は、常にドラマチック。ズラリそろえた名優の技量が引き出すほか、広瀬の才能が爆発するか。謎がてんこ盛りで、先の展開どころか、ジャンルさえ読めない難解な作品だけに、視聴率苦戦は織り込み済み。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

上川隆也

上川隆也

『BG~身辺警護人~』 木曜21時~ テレビ朝日系

出演者:木村拓哉、江口洋介、上川隆也ほか
寸評:「武器を持たない民間ボディーガード」は、昨年の『4号警備』と同じだけに差別化が必要。拳銃を持つ警視庁SPとの対決を盛り上げて主人公のカッコよさを引き出したい。1話完結、豪華キャスト、固定客の多い枠で視聴率は不安なしも、記憶に残る作品になるかは疑問。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

深田恭子

深田恭子