カゴメはこのほど、「野菜の好き嫌いと食経験に関する調査」の結果を明らかにした。同調査は2017年12月1日~4日、全国の16~69歳の男女2,295人を対象にインターネットで実施したもの。
自身が子どもの頃(小学校1~3年生)と現在(16歳以上)においての野菜の好き・嫌いを調査したところ、子どもの時は「好き」が36%、「どちらでもない」が34%、「嫌い」が30%だった。しかし大人になった現在、「好き」は77%と子どもの頃と比べると約2倍に増加し、「嫌い」は5%と大幅に減少した。「どちらでもない」は18%となっている。
子どもの頃は野菜が嫌いだったと回答した人に対し、現在は野菜を好きであるか・嫌いであるか尋ねたところ、59%が「野菜が好き」と回答した。子どもの頃は野菜が嫌いでも、大人になって野菜を好きになる人が多いことがわかった。
現在の一日の野菜摂取量について聞くと、「野菜好き」と回答した人の平均摂取量は126.72g、「普通・野菜嫌い」と回答した人の平均摂取量は79.58gだった。野菜好きな人ほど野菜摂取量の平均が高く、「野菜好きな人」と「野菜好きではない人(普通+嫌い)」の差は47.14g となっている。
続いて、「子どものときから野菜好きな人」と「子どものとき野菜は嫌い・普通だったが、現在野菜好き」で野菜の摂取量を比較した。その結果、前者の現在の平均摂取量は133.90g、後者の平均摂取量は120.67gとなった。子どもの頃に野菜好きになることが、大人になってからの野菜摂取量にも影響することが明らかとなった。
夕食を作るとき・買うときに意識していることを尋ねたところ、「野菜好き」「野菜は普通・嫌い」の両者とも、「おいしいこと」が最も多かった。しかし、野菜好きの人の場合、「おいしいこと」に次いで「栄養バランスが良いこと」や「野菜を多くすること」が高くなっている。「野菜は普通・嫌い」と回答した人の場合、「おいしいこと」に次いで多かったのは「安く済むこと」だった。
生活の満足度について聞くと、「野菜好き」な人は「野菜が普通・嫌い」な人と比べ「家族関係」「健康」「食生活」に関する満足度がそれぞれ約10ポイント高かった。
料理研究家で栄養士の高城順子先生は、野菜には「酸味」「苦味」「渋味」が含まれていると指摘。子どもは「甘味」「旨味」「塩味」がベースになっているため、酸味や苦みなどは受け入れにくいとのこと。しかし、少しずつ慣れていくようになるため、最初に食べなかったとしても食卓に出し続けることが大事だという。
高城先生は「子どもの野菜嫌いを治すポイント」を3つ挙げている。1点目は野菜の強い味を和らげること。そのためには油で炒めたり、卵を使ったマヨネーズで和えたりして、野菜をコーティングすることが有効だとしている。
2点目は形や食感を変えること。大きくカットしたものや食物繊維の多いものは子どもには食べにくく、飲み込みにくい。つぶしてスープにしたり、すりおろして細かく刻んで料理に入れたりするなどの工夫も大切とのこと。
3点目は、子どもの受け入れやすい味と組み合わせること。隠し味にトマトケチャップを入れたり、カレーやみそ汁、焼きそば、スパゲッティなど、好んで食べている味と組み合わせたりするのもおすすめとのこと。