説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『Live Photosのサイズを減らす方法は?』という質問に答えます。
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一般的に写真というと静止した画像、目に映る風景の一瞬を切り取ったものですが、iOS 9以降/iPhone 6s以降のiPhoneでサポートされている「Live Photos」で撮影すると、シャッターを切る前後1.5秒の映像/音声もあわせて記録されます。文字どおり"動く写真"のため情報量が多いほか、シャッターチャンスを逃しにくいというメリットもあります。
そのLive Photoは、JPEG画像にH.264ムービーファイル、リニアPCMのオーディオファイルで構成されています。そのため通常の静止画(JPEGのみの写真)と比較するとファイルサイズが大きくなりがちで、撮影点数が増えると内蔵ストレージの容量圧迫要因となります。
しかし、iOS 11からサポートされた映像を圧縮/展開するプログラム(コーデック)の「HEIF」と「HEVC(H.265)」により、Live Photosのサイズを小さくすることが可能です。被写体や撮影条件にもよりますが、HEIFとHEVCはデータ圧縮効率に優れるため、同じシーンでも従来のLive Photosの6割から5割くらいのサイズに抑えることができるのです。
Live PhotosでHEIF/HEVCを使う方法はかんたん、『設定』→「カメラ」→「フォーマット」の順にタップし、「高効率」を選択するだけです。写真をメールに添付したりAirDropで転送したりするときには、静止画部分は自動的にJPEGへと変換されるため、互換性の心配もありません。
ただし、HEIF/HEVCでLive Photosを撮るためには、iPhone 7以降の端末(A10 Fusionチップ搭載モデル)が必要です。つまり、Live Photosのサイズを減らす最短ルートは「iPhone 7以降に機種変更してiOS 11にアップデートする」ということになります。