西日本鉄道は25日、同社初という本格的な観光列車のネーミング・車両概要・デザインを発表した。既存の6050形を改造した3両編成、座席数52席の観光列車で、「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」として2019年春の運行開始を予定している。

  • 6050形を改造した観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」外装イメージ(画像はすべて西日本鉄道提供)

観光列車のネーミングに決定した「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」について、「筑後地方を中心とした沿線地域の新鮮な食材を列車内のキッチンで調理して提供する、"料理"にこだわった観光列車であること」を表現したと同社。グラフィックデザイナーの福岡南央子氏がデザインしたロゴも公開され、柳川の川下りや久留米の特産品、大牟田の産業遺産など沿線を代表する豊かな資源や魅力をアイコンとして表現したという。

外装デザインも福岡氏が担当し、沿線の緑豊かな風景に映えるデザインに。キッチンクロスをイメージした赤いチェックで、清潔感があり、料理を楽しむ列車であることを表した。内装デザインはモダンかつカジュアルなアプローチで支持されるランドスケーププロダクツが担当。座席数は1両目(大牟田側)・3両目(天神側)が22席ずつ、2両目が8席(キッチン併設)となる。2両目に"窯"を中心とした大型キッチンを設置し、沿線地域の新鮮な食材を用いた温かく美味しい料理を提供する。

  • 「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」車内イメージ

  • 中間車(2両目)に"窯"を中心とした大型キッチンが設置される

車内は筑後地方の「ものづくり」の魅力を発信し、沿線の新たな魅力を感じられる空間を演出。八女の竹を用いた竹細工や400年の歴史を誇る城島瓦、家具生産高日本一という大川市の家具といった伝統ある工芸品にクリエイターの感性をかけ合わせた。壁面は筑後川をイメージしたデザインのTINパネルで沿線の豊かな自然を表現。床にはバラスト(線路に敷く砂利)を加工した人造大理石を使用する。1・3両目は西鉄初というトイレ付き車両となる。

車両投資額は約5億円。観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」のダイヤや車内で提供する料理の概要は今年4月に発表予定とされた。運行開始日および予約開始日の発表、制服の発表は今年9月に行われ、2019年2月の車両お披露目を経て、同年春から天神大牟田線で運行開始する。

  • 「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」1~3両目のレイアウト