叡山電鉄は26日、観光用車両「ひえい」のデビュー日を2018年3月21日と発表した。当日は出町柳駅12時22分発の列車から運行開始し、その後は火曜日を除く毎日、叡山本線出町柳~八瀬比叡山口間での運行を予定している。

  • 叡山電鉄の新しい観光用車両「ひえい」の外観イメージ

「ひえい」は同社の700系1両(732号車)を大幅にリニューアルした観光用車両。叡山電車の2つの終着点にある比叡山・鞍馬山の持つ荘厳で神聖な空気感、深淵な歴史、木漏れ日や静寂な空間から感じる大地の気やパワーなど「神秘的な雰囲気」や「時空を超えたダイナミズム」といったイメージを「楕円」のモチーフで大胆に表現した。車体側面のストライプは比叡山の山霧をイメージしたという。ドア付近に「Spiritual Energy(スピリチュアル・エナジー)」を表現したロゴマークも掲出される。

座席にはゆったりとしたバケットシートを採用し、1人あたりの着席スペースを明確にするとともに、座り心地の向上も図った。バリアフリーへの対応として、八瀬比叡山口駅側のドア付近に車いす・ベビーカースペースを1カ所設置する。近年増加する海外からの利用者にも対応し、車外の行先表示器は日本語・英語・韓国語・中国語の4カ国語表示、車内の案内も従来車両より英語標記を充実させるとのこと。車内照明には同社初というLEDダウンライトを採用。従来車両とは異なる非日常感を演出する。

  • 「ひえい」の車体側面

  • 「ひえい」の内装デザイン

「ひえい」がデビューする3月21日は、冬の期間に運休となっていた叡山ケーブル・ロープウェイ、比叡山内シャトルバスなど、京都側から比叡山へ向かう交通機関の運行再開も予定しており、「『山と水と光の廻廊<比叡山・びわ湖>』の道しるべを目指す『ひえい』の運行開始にふさわしい日です」と同社。出町柳駅12時22分発、八瀬比叡山口駅12時44分発の列車から運行開始した後、火曜日を除く毎日、平日8~18時台・土休日9~17時台に毎時1~2本程度の運行を予定している(定期点検時など長期運休期間が発生する場合あり)。特別料金は不要で、乗車区間の普通運賃(出町柳~八瀬比叡山口間は大人片道260円・小児片道130円)で乗車できる。