ファミリマートは24日、店舗とフィットネスクラブを合体させた新型店舗「FIT&GO」の1号店を報道陣に披露した。フィットネスクラブとコンビニの異色のコラボとなるが、ファミリーマートはこれを広めていきたいという。

  • 写真中央:澤田貴司社長

なぜコンビニがフィットネスなのか

「FIT&GO」を始めた理由。それはズバリ、相性がいいからだ。ファミリーマートが提示したのは、コンビニとフィットネスの主要客層が近いというデータ。20-40代がコアとなる客層のデータがフィットネス利用者と同じ傾向を示しているという。

  • 利用者層がコンビニと重なるという

これは仮説ではない。とあるフィットネスクラブが併設されたファミリーマート店舗で利用客が伸びており、実証されたデータなのだ。フィットネスクラブへ行く前に飲み物を買う。帰りに食べ物などを買うといった、一連の購買行動にコンビニがマッチするというわけである。

こうしたフィットネスクラブ利用者の行動を実はクラブ運営側はすでに察知しており「新規店オープンの際には付近にコンビニがあることが必須といえるほど」(新規事業開発本部 スポーツ・メディカル事業部付部長の茂朋子氏)だという。

この事実を知らなかったのは、むしろコンビニ側のほう。そこでファミリーマートが乗り出したというわけである。

この事業の最大のメリットは集客効果が高まることにあるが、もうひとつにも注目したい。それは加盟店の負荷が小さいことだ。

今や世の中、人手不足。コンビにも例外ではない。そこでファミリーマートでは、加盟店の負担を減らすため、販促物を減らすなどの取り組みを進めてきた。そこからは逆行する取組みにも見えるが、フィットネスエリアへの入退館は、IC付きリストバンドで管理され、将来は無人化も構想している。澤田貴司社長は「人がいなくとも回る。それが一番大きい」とする。業務負荷を少なくしながら、売上・利益の最大化を図る、時代にあった付加価値の付け方と考えているようだ。