RPGの話になれば決まって「ナニ派?」という質問が飛び交う。そんなとき、筆者はいつも「FF(エフエフ)派」と答える。その理由は、他の作品にはない超壮大な世界観、そしてドラマチックかつ感動的なFFのストーリーが好きだからだ。そんなFFの最大の魅力ともいえるストーリーに、いつも深みを与えてくれるのが"別れ"の要素。
今回、FINAL FANTASY30周年を記念し、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで1月22日~2月28日に開催される大回顧展は、この"別れ"がテーマとなっている。その名も「FINAL FANTASY 30th ANNIVERSARY EXHIBITION -別れの物語展-」。
待ちに待ったプレス内覧会が19日に開催され、ひと足先に行ってきたのだが、結論から言うとファンなら誰もが間違いなく涙するだろう。ここからは30年の集大成と呼ぶにふさわしい同展の感動ポイントを紹介していきたい。
【感動1】幻獣バハムートと戦える
"別れ"がテーマとあって「しんみりムードかなぁ」なんて考えていると、初っ端から度肝を抜かれてしまう。なんと、FF作品でおなじみの幻獣バハムートが襲ってくるのだ。しかも、立ち向かうのはクラウドでもスコールでもなく、自分(来場者)たち。
「オープニングシアター」は、高さ3.9×幅12mの壁面に投影される大迫力の映像と、専用音声ガイド機が連動する参加型インタラクティブシアター。どのように参加型かというと、来場者はそれぞれクリスタルから「氷」「炎」「雷」の属性を与えられ、バハムートが襲ってきたら音声ガイド機を素早くタップし、みんなで協力して魔導砲を放つのだ。
音響も映像も、かなりの迫力。しかも参加型とあって思わず手に汗握ってしまう。時間は10分程度あるのだが、本当にあっという間。これを体感するだけでも、来場の価値あり!
【感動2】エリアごとにFF作品の曲が流れる
前述した音声ガイド機は、バハムート戦のあとも大活躍する。入口で配布されたとき、ガイド機に「ニックネーム・誰と展覧会に来たか・プレイ経験のあるFFタイトル」の3つの質問の答えを回答するのだが、回答内容によってパーソナライズされた音声情報が楽しめるのだ。
何より感動したのは、会場のエリアごとにリンクしたFF作品の曲が流れること。例えば、FF2の展示を観ていると「魔導士の塔」が流れ、これがFF7の展示に移動すれば今度は「エアリスのテーマ」が流れる。
当時、思わず涙したあの別れシーンの展示を眺めながら、ヘッドホンから同作のBGMが流れるなんて……涙腺が……。
【感動3】全作品の名場面を辿れる
ここからは、エリアごとに感動モノの展示を紹介していきたい。まず、バハムート戦後に入るのが「FF1~FF6エリア」。モノリスをイメージした石柱に配された、各作品ごとの名シーン映像が流されたモニターを観ることができる。思わず「懐かしい!」と連呼してしまうファンも多いのでは?
続いては、今なおファンから根強い人気の「FF7~FF13エリア」だ。前エリア同様に別れの名シーンにちなんだ映像が観られるのだが、こちらはミニシアター形式と臨場感たっぷり。個人的に、FFシリーズの中でも最も思い出深いのがFF7とあって、エアリスとの別れにちなんだ映像やバスターソードの展示には、時間を忘れて見入ってしまった。
その隣には、個室の「FF10エリア」を発見。中に入ると、ティーダとユウナの出会いから別れのラストシーンまでを、二人の会話と映像で辿っていくインスタレーション空間となっていた。こんなに惹かれ合う二人なのに最後は……ああ切ない……。
さらに進むと、ノクティスとルナフレーナの"幻の結婚式"が再現された「FF15エリア」、オルシュファンとイゼルに捧げる"追憶の部屋"がテーマの「FF14エリア」、シーンダイジェスト動画で歴史を辿れる「FF11エリア」、エアリスとクラウドが初めて出会った「スラムの教会」が再現された「FF7エリア」へと続く。
【感動4】会場限定のグルメ&グッズが揃う
これだけ充実の展示だったからこそ、会場を出ても余韻に浸っていたい。そんな人は隣接するカフェ「THE SUN」へ。オリジナルコラボメニューが、なんと10種類も揃うのだ。ほしにくも、ポーションも、エリクサーも……ここでなら味わうことができるのだ。
また、特設のグッズ販売所もお見逃しなく。FF30周年関連グッズが先行販売されており、いち早くレアな品々をゲットすることができる。チョコボやモーグリをモチーフにした可愛いアイテムから、FFデザインの渋い豆皿セット(税別6,000円)まで、実に多彩なラインナップとなっている。
【まとめ】やっぱり「FF」ってスゴい!
全世界で累計1億3500万本以上の出荷・ダウンロード販売を達成し、2017年には「最もタイトル数の多いロールプレイングゲームシリーズ」としてギネス世界記録に認定されたFINAL FANTASY。
内覧会には、FFの生みの親・坂口博信さんが登壇し、こんな話をしていた。「"チャレンジし続けるのがファイナルファンタジー"という精神が,どんどん新しい世代に引き継がれていき、これからも成長していくと実感しています」。
新しいタイトルが出るたびに、いつも新しい感動をくれるFF。これから40年、50年、100年と時が経っても、きっとプレイヤーたちはFFの「別れの物語」に熱い涙を流しているに違いない。
「FINAL FANTASY 30th ANNIVERSARY EXHIBITION -別れの物語展-」は、1月22日~2月28日10~20時(最終入館19時)の開催。料金は、当日券2,500円となっている。