『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』など数々の名作映画の原作を手掛けてきた作家スティーヴン・キングの集大成ともいえる「ダークタワー」シリーズ待望の映画化『ダークタワー』が1月27日に公開される。本作で早くも注目を集めているのが、オスカーノミネート俳優イドリス・エルバが超絶ガンアクションを披露する主人公ガンスリンガーだ。スティーヴン・キングの他作品にも登場する重要なこのキャラクターは、なんと人気アメコミヒーロー“バットマン”に通ずるポイントがあるとスティーヴン・キング本人が明かしている。
ガンスリンガーの生みの親である原作者スティーヴン・キングは「ガンスリンガーはたいていのスーパーヒーローよりもはるかに多くの葛藤を抱えていて、傷つきやすい。そこが僕は好きなんだ」と、ヒーローでありながら弱さも持つところが彼の魅力だと語る。また、「スーパーマンかバットマン、どちらが好きかと聞かれたとき、僕は昔からバットマン派だった。スーパーマンは弾丸も跳ね返してしまうほど強いけれど、バットマンは脆弱だ。それと同様に、ガンスリンガーも劇中では感染病にかかり、その治療のために現実世界へやって来るなど、スーパーヒーローとは思えないところがある」と、ガンスリンガーにはバットマンに共通する“ヒーローらしからぬ一面”があると明かしている。
バットマンとガンスリンガーはその境遇も実に似ている。アメリカのDCコミックスを代表するヒーロー・バットマンは、宿敵ジョーカーに両親を殺された復讐心からヒーローとなり、荒廃した街ゴッサムシティの平和を守り続けているというキャラクターだ。一方、本作の主人公ガンスリンガーは、現実世界と時空を超越する荒廃した異界“中間世界”、2つの世界のバランスを保つ塔「ダークタワー」を守り、平和を維持してきた一族の最後の戦士。2丁の拳銃を操り、超絶ガンアクションをみせるスーパーヒーローなのだが、彼もまたタワーを破壊し世界の崩壊を目論む宿敵“黒衣の男”(マシュー・マコノヒー)に仲間や家族を虐殺され、その復讐に燃える心の闇を抱えているのだ。
そして、このガンスリンガーを演じたのは、マーベル・コミック原作「マイティ・ソー」シリーズの主要キャラクター“ヘイムダル”を演じ、日本でも人気を博した『パシフィック・リム』では防衛軍の司令官を演じるなど、ヒーロー大作映画に次々と出演する俳優イドリス・エルバだ。そんな彼は「ガンスリンガーは、心に大きな暗さと深い傷を持っている。さまざまな大作に関わってきたけど、今まで彼のようなスーパーヒーローを演じたことは無かったよ」と、強いだけではない複雑なキャラクターだと説明している。