昨年10月に公開された映画『ブレードランナー 2049』が、20日発売の映画雑誌『映画秘宝』(洋泉社)3月号で行われた企画「ベスト&トホホ10!!」(2017年版)において、「ベスト1位」と「トホホ1位」の両方に選出された。

『映画秘宝』(洋泉社)3月号

『映画秘宝』(洋泉社)3月号

「ベスト&トホホ10!!」は『映画秘宝』が1997年度より年に一度実施している名物企画であり、その年でベストの映画とワーストを意味する“トホホ”な映画を選ぶというもの。今月号で行われた2017年度版では、宇多丸・のん・二階堂ふみ・斎藤工ら、史上最多となる160名超が選者として参加した。

1982年公開の傑作SF『ブレードランナー』から35年の時を経て生まれた続編『ブレードランナー 2049』は、2049年の世界を舞台にブレードランナーの主人公“K”(ライアン・ゴズリング)が、新たに起こった世界の危機を解決するため、30年前に行方不明となったブレードランナーのリック・デッカードを捜す物語が描かれている。前作の『ブレードランナー』でデッカード役だったハリソン・フォードが、再び『ブレードランナー 2049』でも同役を演じたことでも話題を呼んだ。

昨年度の「ベスト&トホホ10!!」でも映画『シンゴジラ』が「ベスト1位」と「トホホ5位」にランクインしたが、両部門の1位を同時受賞するのは、「ベスト&トホホ10!!」史上初めてのこと。賛否が真っ二つの分かれる結果となった。

『映画秘宝』創刊者でもある映画評論家・町山智浩氏は、この結果に対して「みんな『ブレードランナー』に思い入れがあるからこその結果だよね」と冷静に分析する一方、「泣いた! 作り手のブレードランナー愛の深さを感じたよ」と『ブレードランナー 2049』を熱く絶賛した。

また映画評論家の品川四郎氏は、ベストとトホホの両部門で『ブレードランナー 2049』をベスト1に選出。「これを“傑作だ”と言う人/言いたい人は、アンチ派が思わずのけ反るくらいに正面攻撃の正攻法でホメ殺してくれなきゃ困る。それが本当の“ブレラン贔屓”っていうもんでしょう。(中略)内容的には、スナック菓子をたらふく喰って胸焼けしてる感じ。明快な出口をほとんど作らずに詰め込むのはダメだよ」とコメントを残した。