流行が本格化してきたインフルエンザ。マスクをしたり、手洗いうがいをしたりして、外出先での感染を防ぐ努力をしている人は多いだろう。しかし知らない間に、外から持ち込んだウイルスがドアノブや手洗い場などで拡散され、感染の危険性を高めていることはご存知だろうか。
今回は、インフルエンザウイルスの家庭内感染経路が分かるイベント「インフルエンザハウス」(ジョンソン主催)を取材。家庭内におけるウイルスが潜みやすい場所や対策について聞いてきた。
手洗い後、再びウイルスが付着している可能性も
このほどジョンソンが開催した「インフルエンザハウス」は、蛍光塗料をインフルエンザウイルスに見立て、ブラックライトを使用することでその感染経路を可視化したイベント。イベントでは監修にあたった芝大門いまづクリニックの今津嘉宏 院長が解説してくれた。
中でも衝撃だったのが、水回りに多くのウイルスが付着しているということ。手を洗うために触った水洗金具にウイルスがついてしまうと、せっかく手洗いをしても、水を止めるときに再度ウイルスを手に付着させてしまう。もちろん、その手をふくタオルにもウイルスが付着するので、どんどん拡散していくそうだ。
今津院長によれば、手を洗った後にアルコール除菌をしておくのが有効とのこと。日頃から意識して、水回りをアルコール除菌拭きしておくのもいいかもしれない。
キッチン・ダイニングの注意ポイント
またキッチンでは、よく手で触れる冷蔵庫の扉にウイルスが付着しやすいという。「取っ手部分だけでなく、扉を閉めるときに触りがちな冷蔵庫の表面にもウイルスは付きやすいといえます」(今津院長)。除菌するときは、扉全体を拭くようにしよう。
ダイニングテーブルでは、水拭きをすることでウイルスが広がってしまう。ふきんにもウイルスが付着し、そのふきんから手に付着していくという流れを作ってしまうと悲劇だ。この場合、布かティッシュでアルコール拭きするのが有効なのだという。
玄関口でウイルスの侵入を防ごう!
しかし何よりも、玄関口でウイルスの侵入を防げるのが一番。静電気の起こる場所にも付着しやすいといい、玄関前で髪の毛やストッキングに付着したウイルスをはらうだけでも効果はあるとのこと。玄関口で手を除菌するのもいいだろう。
他にも、トイレ内(操作パネルやトイレのノブ、水道の取っ手、ドアノブなど)や静電気が起こりやすい家電製品に付着しやすいという。
「今年はA型の流行に加え、進行が遅く、一見インフルエンザと分かりにくいB型のウイルス感染も流行しています。一方に感染した後、さらにもう一方の型のウイルスに感染してしまうケースもあるので注意が必要です」と今津院長。
ウイルスを除去するだけでなく、室内の湿度を50~60%に保ったり、食事を工夫して免疫力を高めたりして、インフルエンザにかかりにく状態を作ることも大切となってくる。万全な対策を施して、ぜひ今年の冬を健康に乗り切ってほしい。