マツダが事業化を決定し、2017年12月に申し込みの受け付けを開始した初代「ロードスター」のレストアサービス。1台あたり250万円からという価格設定は新車を購入するのとほぼ変わらないが、すでに申し込みは32件に達し、数年待ちの“活況”を呈している。
まだまだ現役! マツダならではのライトウェイトスポーツ
ロードスターは1989年に誕生したマツダの2人乗りスポーツカー。伝統的なフロントエンジン・リアドライブ方式を採用した本格的かつ正統派のライトウェイトスポーツカーとして、他社と価格競争を起こさない、マツダならではのクルマを作りたいとの考えから開発されたという。
ロードスターの初代は「NA型」と呼ばれ、現行の「ND型」は4代目にあたる。2016年4月には初代からの累計生産台数が100万台を突破しているが、このクルマは世界で最も多く作られた2人乗りスポーツカーでもあるという。
マツダは世界で43万台のNA型を生産し、日本では約12万台を販売した。発売から28年後の今でも、日本では約2万3,000台のNA型が現役で走っている。そのNA型を預かり、復刻パーツなども使って新車同様にリフレッシュしようというのが今回のレストアサービスだ。
事前説明会は活況! 事業拡大も視野に?
ND型の開発主査を務め、現在は「ロードスターアンバサダー」の肩書きを持つマツダ商品本部の山本修弘氏は、「東京オートサロン2018」のマツダブースに登場し、レストアサービスについて経過と現況を報告した。
同氏によると、レストアサービスのメニューについては、全国で開かれるロードスターのファンイベントをまわるなど、顧客からの声を集めた上で決めていったとのこと。2017年12月には顧客を招いての事前説明会を開催したが、当初は午前と午後で200名程度を想定していた参加申込み件数は600名以上に達したそうだ。昨年の12月13日に始めた同サービスのウェブ受け付けには、2018年1月12日までに32件の申し込みがあったという。
「新車のNDを買うか、NAを新車にするか」と山本氏も言っていたが、NAのレストアは決して安いサービスではない。それでも32件の申し込みが実際にあり、数年待ちの状況となっているのは、マツダにとって「嬉しい悲鳴」(マツダのマーケティング担当者)といったところだろう。施設と人員が必須のサービスであり、すぐに受け入れ体制を拡充するのは難しいようだが、マツダ広報によると、「将来的には、状況により事業拡大も検討」する可能性があるとのことだった。