第158回直木三十五賞を受賞した門井慶喜氏が16日、東京・日比谷の帝国ホテルで受賞会見に臨み、「風が来た! 飛ぶだけだ!」と喜びを語った。
『銀河鉄道の父』で受賞した門井氏は、3回目の候補で受賞。父親が歴史好きのため、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜から名前を付けられたそうで、「天才的な政治家と、鳥羽伏見の戦いで逃げだダメな将軍という評価が両極端な歴史上の人物なので、自分をどっちの評価に合わせればいいのかと思い、子供の頃は自分の名前がすごく嫌だった」というが、「今では門井慶喜という名前で本を出す、直木賞を頂戴するということに関しては、わりと冷静に受け止められる。こんな日が来るとは、子供の頃は思わなかったなと思います」と語った。
直木賞には、4人組バンド・SEKAI NO OWARIのSaoriこと藤崎彩織のデビュー小説『ふたご』もノミネートされており、これを破っての受賞。写真撮影では積極的に本をアピールし、満面の笑みで頭の上に高々と掲げてみせた。
また、同日発表された第158回芥川賞は、若竹千佐子氏の『おらおらでひとりいぐも』と、石井遊佳氏の『百年泥』がダブル受賞。若竹氏は「人生の終盤でこんな晴れがましいことが私に起こるなんて、信じられない」と驚き、インド在住で電話会見となった石井氏は「私も皆さんと一緒に記念撮影したいです(笑)」と残念がった。