パナソニックは2018年も、CESにてオーディオ・ビジュアル系の新製品を数多く発表しました。基本的には欧州向けに投入を予定する新製品ですが、それぞれのエッセンスは、これから日本で発表を控えているであろう2018年の新製品にも活きているはずのものばかり。それぞれの内容を整理しながら、今年のVIERAやDIGAについて注目すべきポイントを見ていきましょう。
最初に、欧州向けの4K有機ELテレビ「VIERA」シリーズですが、画質をハリウッドで活躍する映像のプロフェッショナルと一緒に練り上げているのがVIERAの特徴。欧州向けの製品ながら、アメリカの著名スタジオでも、有機ELのVIERAは誕生のころからリファレンスモニターとして多く採用されています。
2018年モデルとして発表されたのは、65型と55型の「FZ950」シリーズと、同じサイズ展開の「FZ800」シリーズです。前者がEZ1000シリーズの後継、後者はEZ950シリーズの後継モデルになります。欧州での発売時期は6月。
2017年のCESで発表されたフラグシップモデルの「EZ1000」シリーズは、日本でも夏のボーナス時期が近づく6月に発売されました。2018年の夏はサッカーのビッグイベントもあるので、2018年モデルのVIERAは、2017年と同じぐらいの時期か、もう少し早く発売されるかもしれません。
映像は現行モデルで好評を得ている暗部の高い再現力はそのままに、明部の階調感とディティールをより鮮やかに引き出せるよう改善を図っています。パナソニックのブースでFZ950とEZ1000の画質を見比べてみたところ、実力の違いは明らかなものでした。映像の没入感と鮮度の高さが際立っています。
新しいVIERAは、HDR(ハイダイナミックレンジ)コンテンツのための新しい技術である「HDR10+」をサポートしています。さまざまなHDR対応機器において、コンテンツ制作者の意図した映像を正しく再現するために、シーンごとに記録されているメタデータを読み取りながら動的に輝度や色、コントラストのバランスを補正する技術です。
HDR10+の実力をデモンストレーション
HDR10+のパフォーマンスは、デモンストレーションを体験できました。液晶テレビを使って、HDR10対応のテレビとの比較デモです。
やはり明暗の再現力に実力の差がよく現れるようです。VIERAの場合はHDRの技術以前に、テレビそのものが「画づくり」の底力に優れているので、高画質化はHDR10+のメタデータまかせということはありません。しかし、技術そのものが普及してくれば、ミドル価格帯のHDR10+対応テレビにとっても、画質向上の恩恵をもたらすものになるとされています。
HDR10+の規格推進には20世紀FOXとワーナーが参加しているほか、アマゾンもパートナーになりました。2018年は、4K/HDRコンテンツを収録するUltra HD Blu-rayディスクの作品や、アマゾン・プライムビデオの配信コンテンツにも、「HDR10+対応」が広がることになりそうです。
また、上位モデルのFZ950は、パナソニックのハイエンドオーディオブランド「テクニクス」のエンジニアが音づくりに関わった、バータイプのサウンドシステムが一体になっています。201年モデルでは、低音再生を改善するためにウーファーユニット口径を大きくして、スピーカーユニットの容積を約40%高めています。
EZ1000シリーズの音と聴き比べてみると、ボティの引き締まったタイトで力強い低音により、全体の音のバランスがさらに整った印象を受けました。デザインもよりすっきりとしたようです。