エアバスは現地時間の1月9日、同社の次世代大型輸送機「Beluga XL(ベルーガXL)」がフランス・トゥールーズの最終組み立てラインからロールアウトしたと発表。運用が開始されると、エアバスの欧州工場と、フランス・ドイツ・スペインの最終組み立てラインとの間で、エアバスの各パーツの輸送に使用される。
ベルーガXLは、同社の最新飛行機であるA350 XWBをはじめとするの各種飛行機の増産を目指し、工場間の輸送能力を高めるために計画されたもの。A330-200貨物機をベースに、エンジンはロールスロイスのトレント700を装備している。
現行のベルーガと比べて6m長く、また、幅は1m広くなり、ペイロードは6t増加する。これにより、ベルーガXLはA350 XWBの左右の主翼を同時に輸送できるようになる。ベルーガXLは計5機の製造を予定しており、この5機により同社の輸送力は30%向上するという。
最初のベルーガXLは2018年半ばに初フライトを予定している。初飛行までにエンジンを搭載した後、トゥールーズとドイツ・ハンブルグにて、各システムが意図した通りに機能することを確認する地上試験を数カ月かけて実施する。また、油圧ジャッキを使用し、胴体上部と下部の接続部分に関して、フルスケールの胴体用いて飛行負荷の確認も行う。これらの試験で得た安全性や耐空性に関するデータは、型式証明の取得時に使用される予定となっている。
1機目の地上試験以降にあわせて、2機目もトゥールーズで最終組み立てを開始した。ベルーガXLプログラムの責任者は、1機目の経験を経て2機目の最終組み立ての時間は約2カ月短くなると予想している。