サムスン電子は1月8日(米国時間)、「CES 2018」にてプレスカンファレンスを開催。2018年に発売するスマートOSテレビやスマート家電に独自の音声アシスタント「Bixby(ビグスビー)」を組み合わせ、スマートホーム向けプラットフォーム「SmartThings」に対応するIoTデバイスとの連携を徹底的に強化する方針を発表しました。
テレビを声で操作できるように
Bixbyはサムスンの最新スマホ「Galaxy Note8」や「Galaxy S8/S8+」などでサポートしている音声アシスタントです。日本国内で発売されている端末でも利用できますが、日本語対応がまだなので使ったことがないという人がほとんどだと思います。なので、今スマートホーム対応と言われても、どんなことができるのかイメージしづらいかもしれません。
2018年にサムスンが発売するテレビのうち、インターネット機能とスマートOS「Tizen」を搭載するものは、すべてBixbyをサポートする予定です。リモコンに搭載されているマイク、あるいはテレビ本体に内蔵されているマイクに話しかけて、テレビのチャンネルを切り替えたり、動画配信サービスを起動したりできるようになりそうです。
スマートホームが加速する
そしてもうひとつ、SmartThingsのIoTプラットフォームに対応することが今回の発表の目玉です。
SmartThingsは2014年にサムスンが買収したアメリカに拠点を置く企業で、スマートホーム向けのセンサー機器やカメラなど多くのIoTデバイスを商品化しています。買収後はサムスンの通信ネットワーク機器との連携を進め、今ではサムスンのスマホとアプリでSmartThingsの様々なIoTデバイスを操作できます。ただし、こちらも提供地域は北米が中心。2018年はスマートホーム機能がさらに強化され、Bixbyによる音声コントロール機能が追加されます。
セキュリティも抜かりなく
また、スマホやタブレットなどで培ってきたセキュリティプラットフォームの「Knox (ノックス)」が、スマートOSテレビやスマート家電にも広げられるそうです。昨今のスマート家電人気の高まりに乗じつつ、課題とされている「セキュリティ」についてもしっかりと対策を打ち出してきた格好です。
サムスン"じゃない"製品とも連携
サムスン製品だけでなく、OCF (OPEN CONNECTIVITY FOUNDATION)の規格をサポートする他社のスマート家電製品とのコネクティビティを積極的に強化していく戦略も発表されました。本件についてはサムスンのプレジデント兼CE部門長であるHS Kim氏が「今後OCFに参加する397のメンバー企業と一緒にスマートホーム・IoTのスタンダードをつくっていきたい」と意気込みを述べています。サムスンとしては2020年までにスマート家電製品をすべてOCF対応にする方針を発表しました。
スマートウォッチ×家電
Kim氏はまた、同じ2020年までにサムスンのコネクテッド家電をすべてAI対応にしていくと宣言しました。カンファレンス会場では新たにSmartThningアプリを搭載するスマートOSテレビの簡単で便利な使い心地がデモを交えながら披露されました。Android OSまたはiOS搭載のデバイスに専用アプリを入れてからBluetoothなどでテレビに接続すると、スマホの設定情報がそのままテレビに引き継がれるので、Wi-Fi接続のためのユーザーID/パスワードの入力を省くことができます。
そのほかにもSmartThingのプラットフォームに対応することで色んな利便性が生まれます。サムスンのスマートウォッチ「Gear S3/Gear Sport」にもSmartThingアプリがアップデートで追加され、スマートウォッチで様々な家電機器がコントロールできるようにもなるそうです。