説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhone Xの有機ELディスプレイは焼き付きやすいの?』という質問に答えます。
***
iPhone Xに搭載れている「Super Retinaディスプレイ」は、有機EL(OLED)パネルを利用しています。ひとつの画素を構成する素子(サブピクセル)が独立して光る自発光型ディスプレイであり、薄型化/高画質化に貢献しています。
これまで歴代のiPhoneに採用されてきた液晶ディスプレイは、バックライトが発した光が液晶を透過して発色する構造のため、見る角度によって色が変わって見えがちですが、OLEDディスプレイでは見る角度によって色調が変わってしまうことはありません。バックライトが必要ないぶん薄く、発光しないときは黒を正確に表現できるためコントラスト比も高くなります。
一方、OLEDディスプレイは液晶ディスプレイに比べ「焼き付き」しやすいとされています。焼き付きとは、以前の画像がかすかに見えてしまう現象で、同じ画像を長時間表示し続けるなどの使いかたにより発生します。iPhone Xも例外ではなく、AppleのSuper Retinaディスプレイの紹介ページに『「OLED の「焼き付き」現象の低減という点でも、業界最高を目指しました』とあるように、焼き付き現象そのものは避けられないことがうかがえます。
しかし、ご質問にあるように「焼き付きやすい」かというと、そうとはいえないでしょう。iOSには「明るさの自動調節機能」があり、周囲の明るさに応じて自動的に画面輝度を調整することができます。操作しないまま一定時間放置すると画面を自動消灯する機能も用意されています。
とはいえ、同じ画像を最大輝度で長い時間表示し続けるような使いかたは禁物です。晴天時の屋外など明るい場所では輝度が高くなりがちなため、長時間の連続使用は避けましょう。アプリによっては、コントロールセンターなどで画面輝度を低めに手動設定することをお勧めします。