新潟県はこのほど、新潟空港のアクセス改善に係る県の方針「新潟空港アクセス改善の基本的考え方」を策定。2018年度以降に、まずは直行リムジンバスやタクシー、自家用車等の利便性向上などの短中期的取組を着実に進め、空港アクセスの充実を図っていく。
同県は新潟空港のアクセス改善に係る県の方針を決定するため、2017年5月から、行政・経済・交通事業者等のトップからなる「新潟空港アクセス改善協議会」を開催し、検討を進めてきた。今回の方針は、同協議会の報告書を踏まえたものとなる。
あわせて、新潟空港の利用者増と航空ネットワークの充実に向けて、新潟空港の利用促進に係る関係者の行動指針となる「新潟空港の路線ネットワーク戦略2017」を策定した。新たな戦略の実現に向けては、官民で新潟空港の路線誘致や利用促進活動を行っている「新潟空港整備推進協議会」をはじめとする関係者の皆様と連携し、計画的に取組を進めていくとしている。
新潟空港アクセス改善は新潟空港利用者の増加を目的としている。基本的な考え方として、新幹線延伸案を含む軌道系アクセスは、利用者増加などの効果も期待されるものの、不確実な要素や採算性等の課題も多く、現時点で整備着手を判断できる状況にないため、長期的な需要動向等を見極めつつ、再度検討・意思決定を行う必要があるとしている。
従って、まずは県内及び近隣県からの空港利用者や訪日外国人旅行者にとっての「利便性の高い地方空港」を目指し、直行リムジンバス、タクシー、自家用車及びレンタカーの利便性向上など、短中期的に実施可能な取組を総動員するべきとした。なお、その際には、空港と新潟駅の間だけではなく、県内市町村や近隣県等も視野に空港アクセスの改善策を検討していく必要があるとしている。
今後の取り組むべき空港アクセス改善の方向性を短・中・長期の区分で整理し、短期は2020年東京オリンピック・パラリンピックを目標年、中期は2025年度を目標年、長期は需要動向等を見極めつつ検討すると定めている。
短期では、多数の訪日外国人旅行者の来訪を視野に入れ、こうした需要を取り込むため、交通モード、アクセスの範囲毎に改善を進める。具体的には、自家用車は駐車場料金の低廉化・無料化、レンタカーは利用者負担の低減、タクシーは定額運行ルートの構築、バスは利用者サービスの向上等となる。
中期では、短期策に合わせて、新潟駅高架下交通広場供用(2022年度)後の流動の変化や、新潟駅周辺の都市開発、空港周辺の産業開発の動向等も見極め、概ね2025年度を目標としたバスの利便性向上を図るとしている。具体的には、バスは空港ビル・新潟駅での動線等改良、道路走行環境の改善等となる。
長期では、短中期の取組を進めつつ、空港利用者が「新潟空港ネットワーク戦略 2017」の目標(目標年次: 2020年度)である135万人を達成した段階、若しくは、中期の目標年次(2025年度)を経過した段階で、利用者ニーズや社会経済の動向を見極めつつ、軌道系アクセス等の抜本的な改善策について本格的な検討を行うか、関係者で再度検討・意思決定を行うとしている。