昨年1月にアップされた「『2017年活躍間違いなし』の若手女優10人! 息をのむ美貌、グラビア界席巻、朝ドラ抜てき……ブレイク候補目白押し」が好評だったことを受けて、今年も同様の企画にトライ。今年もとびきりフレッシュな10人の若手女優を厳選紹介していく。
セレクトの基準は、最近の出演作で見せた可能性と、今後出演予定が発表されている作品のラインナップ。毎年、次々に新星が誕生する女優業界で、今年ブレイクを果たすのは誰なのか?
今年も朝ドラからスター誕生へ
1人目は、春スタートの朝ドラ『半分、青い。』(NHK)でヒロイン・楡野鈴愛(永野芽郁)の幼なじみ・木田原菜生を演じる奈緒(22)。昨年は6作のドラマに出演し、ベテラン俳優たちとの共演で演技に磨きをかけた。なかでも野島伸司脚本ドラマ『雨が降ると君は優しい』(Hulu)では、古谷一行演じる老作家からセクハラを受けながらも、母の死の真相を探る新人編集者を好演。終了直後に『赤ひげ』(NHK BSプレミアム)で時代劇に挑むなど、昨年下半期で「若き演技派」の評価をつかみ取った。
2人目も朝ドラから。現在放送中の『わろてんか』(NHK)に1月末から新キャストとして抜てきされた水上京香(22)。日芸映画学科在学中ながら着々とドラマ出演を重ね、今年待望の朝ドラ出演を果たす。役どころはヒロイン・てん(葵わかな)の息子・隼也(成田凌)の恋人・加納つばき。「大手銀行の頭取を父に持つ箱入り娘で、アメリカでの生活経験がある」という個性的な役で、恋も波乱含みだけに見せ場は多そう。『Going!Sports&News』(日本テレビ系)でのお天気キャスターも含め、露出は多くなるだろう。
3人目は、『午後の紅茶』(キリンビバレッジ)のCMで美声を披露している上白石萌歌(17)。17歳にして7年のキャリアを持ち、これまでは歌声を武器にミュージカルで大活躍してきた。一昨年に『赤毛のアン』、昨年に『魔女の宅急便』、今年は『続・時をかける少女』と名作舞台の主演に抜てき。さらに姉・上白石萌音(19)と映画『羊と鋼の森』で待望の共演を果たし、ピアニストの姉妹を演じる。「近未来の連ドラ主演は確実」と言われる現在、業界ナンバーワンの逸材だ。
女子高生役なら必ず名前が挙がる3人
4人目は、昨年4月の高校入学時に福島から上京したばかりの竹内愛紗(16)。デビューと同時に『Y!mobile』(ソフトバンク)のCMに出演したほか、3カ月後に『ヤングジャンプ』(集英社)の表紙を飾る大器ぶりを見せた。さらに10月から『明日の約束』(フジテレビ系)でドラマ初出演。毒母・真紀子(仲間由紀恵)のもとで育ち、兄・圭吾(遠藤健慎)が不可解な死を遂げるなど悩み多き少女を演じた。12月には『リベンジgirl』で映画デビュー。今年2月にも映画『犬猿』へ出演するなど、世代トップクラスの美少女ぶりで今後も出演作を重ねていくだろう。
5人目も『明日の約束』に出演していた鈴木美羽(17)。同作では毒母・藍沢尚子(手塚理美)に支配されるヒロイン・藍沢日向(井上真央)の高校時代を演じた。驚くべきは同時期に同じ学園ドラマの『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)にも出演していたこと。『スカッとジャパン』(フジテレビ系)の「胸キュンスカッと」、『ワイドナショー』(フジテレビ系)への出演も含め、「いかに女子高生役が似合うか」がわかる。ドラマ・映画を問わず女子高生役のキャスティングで必ず名前が挙がる存在となった。
6人目は、その『先に生まれただけの僕』で鈴木美羽と華麗な書道パフォーマンスを見せた駒井蓮(17)。もともと、「ポカリスエット」(大塚製薬)の野球部女子マネージャー姿や、「ルフォン」(サンケイビル)でベランダから「はじめまして!」と叫ぶ姿が話題になるなど、CM業界では知られた存在だった。今年は映画『名前』で初主演を果たすなど、女優として羽ばたく一年になるだろう。青森県出身らしい素朴な雰囲気の黒髪美少女だけに、女優としてのフィールドは広い。
すい星のごとくトップに登り詰めた19歳
7人目は、昨年すい星のごとくグラビア界に現れ、トップに登り詰めた小倉優香(19)。高校卒業直後の4月にグラビア表紙デビューを飾ってすぐに各誌を総なめにし、その勢いを受けて10月からの3カ月間でドラマ5作に出演した。しかも、プライムタイムの学園ドラマ『先に生まれただけの僕』から、深夜のお色気ドラマ『フリンジマン』(テレビ東京系)まで、振り幅の広いラインナップ。身長167㎝8頭身のスタイルで、年齢以上に大人びた役柄をこなせるだけに、職業ドラマへの抜てきがあるかもしれない。
8人目は、美女軍団オスカープロモーションの期待株・柳美稀(20)。昨秋、『さくらの親子丼』(フジテレビ系)で傷害事件を起こす非行少女を演じ、更正するまでの姿を見事に演じ切った。同時期に出演した初主演ドラマ『ふたりモノローグ』(AbemaTV)でも個性的な金髪ギャル役を演じたが、もともと『動物戦隊ジュウオウジャー』のヒロイン・セラを演じた華やかなタイプ。事務所の先輩である米倉涼子のような女優になるかもしれない。
9人目は、同じ戦隊ヒーローモノ出身の山谷花純(21)。すでにキャリア10年、出演50作を超える若きベテランだが、着々と演技経験を重ねてブレイクの時を待っている。『手裏剣戦隊ニンニンジャー』のモモニンジャーや、主演映画『シンデレラゲーム』のアイドルなどのキュートな役柄が印象深いが、決してそれだけではない。『ファーストクラス』(フジテレビ系)では菜々緒、シシド・カフカの2大悪女と共謀する女性を演じたほか、昨秋は昭和が舞台の『トットちゃん!』(テレビ朝日系)に出演するなど、何でもできるのが強みだ。
モデル出身ながら色気たっぷりの美女
最後の10人目は、すでに実績も知名度も十分の池田エライザ(21)。昨年は「深夜ドラマの女王」ともいうべく5作に出演し、今年は満を持してゴールデンタイムの連ドラ出演が期待されている。『CanCam』(小学館)モデルでありながら、一方で抜群のスタイルを武器に、激しい露出やキスシーンを演じてファンから「エロイザ」と呼ばれる一面も。昨年11月に初主演作『一礼して、キス』、今年1月に『伊藤くんAtoE』、4月に『となりの怪物くん』と出演作が続くなど映画業界でも注目度は高く、全国区の女優へまっしぐら。
朝ドラ、学園映画、CMが若手女優の3大登竜門であることは変わらないが、今年はどんな新星が飛び出し、どこまで人気を集めていくのか。ここで挙げた10人はその可能性を秘めた筆頭株だけに、一年間追いかけてみてはいかがだろうか。
■著者プロフィール
木村隆志
コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月間20本超のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などに出演。取材歴2000人を超えるタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。