「ご飯を食べない」「着替えない」「用意をしない」など、忙しい時間に子どもがやるべきことをしないと、どうしてもイライラしてしまいがちです。
ツールを使うことで、少しでも心穏やかに過ごすことができるのなら、チャレンジしてみたいと思うパパ・ママも多いはず。筆者もそんな思いで、自ら進んで身支度できるようになるという「お支度ボード」を作ってみました。
何のために作るのかを再確認
今回お支度ボードを使うのは、3歳になったばかりの娘。お支度ボードを作る目的として筆者が設定したのは「やるべきことが分かること」です。
「やるべきこと」よりも「したいこと」ばかりに夢中になる3歳児。大人だってそんな時はたくさんあるし、「したいこと」に夢中になれるのはいいことです。
娘には「やるべきことをやっておくと、したいと思うことが存分に楽しめる」と知ってほしい……。そんな思いでボードを作成しました。
ひとくちに"お支度ボード"といっても、「朝の身支度ができるようになってほしい」「1日の中でやるべきことを理解してほしい」「登園時の持ち物が準備できるようになってほしい」など、目的はさまざま。そしてその目的によって、チェック項目も異なります。
ボードを作成する前に、まず"何のために作るのか"を再確認しておくと、その後の作業がスムーズになると思います。
「やるべきこと」を洗い出そう
目的を確認したら、次は「やるべきこと」を洗い出します。筆者の場合は、朝・家に帰ってから・夜の時間帯に、必ずこれだけはやってほしいと思うことを書き出しました。
そこで意識したのが「できるだけやるべきことの数を絞る」ということ。あれもこれもと言い出すとキリがないけれど、大人だっていきなり壮大な理想を掲げられてもやる気がしぼんでしまいますよね。
今回は、朝も夜も必要な「食事」を時間の余裕がない朝のみチェック項目に設定するなどして、最終的に12個に絞りましたが、子どもの年齢や成長に合わせて、調整するといいかもしれません。
100均で材料を準備~必要なのは7アイテム~
ここまで来たら、やっと100円ショップへGO! です。
筆者が購入したものは、
・マグネット 108円×2個=216円(ダイソー)
・マーカー 108円(ダイソー)
・イレーザー 108円(ダイソー)
・シール用紙 108円(セリア)
・アクリル陳列台 108円(ダイソー)
以上、7点で864円でした。
マグネットは、3歳の娘でも簡単に移動ができるよう、直径40mmと大きめのサイズを用意。立て掛けて使いたかったので、アクリル陳列台も購入しました。1つ失敗だったのが、イレーザー。ティッシュでもきれいにマーカーを消すことができたので、わざわざ買う必要はありませんでした。
いざ、ボード作成へ
必要な材料がそろえられたら、あと少し、作り方は簡単です。
●STEP1: マグネットにアイコンをつける
無料の素材提供サイトで「食事」ならごはんのマーク、「歯磨き」なら歯ブラシとコップ、といった具合に必要なイラストをダウンロードし、Wordファイルに貼り付けてシール用紙に印刷。丸く切って、マグネットに貼り付けます。
●STEP2: ブラックボードにマスキングテープを貼る
「やること」と「できたこと」の区切り線として、手持ちのマスキングテープを貼りました。マスキングテープをお持ちでない方は、マーカーで区切りを描いてもOK。
●STEP3: 「やること」のスペースに、マーカーで「あさ」「かえったら」「よる」と書く
娘はまだ文字が読めないので、意味が伝わるように簡単なイラストも添えました。ここに、それぞれの時間にやることのマグネットを貼り付けておくイメージです。
一番時間がかかったのは、自分のイメージするイラストを探すことでした。それでもこの3ステップにかかった時間は全部で30分。パソコンに不慣れな方でも1時間もあれば作ることができるのではないでしょうか。筆者はイラストが苦手なのでパソコンを使いましたが、パパやママの手書きのイラストだとお子さんもなおさら喜ぶかもしれませんね。
「できたこと」にも目が向くから冷静になれる
お支度ボードを使い始めた当初は、毎日一緒にボードを見て、次に何をするか確認・説明しながらマグネットを移動させていましたが、1週間もすると、少しずつ1人で確認作業ができるようになりました。イラストが描かれた「マグネット」と「やるべきこと」が結びついたようです。
一方で、お支度ボードの使用を嫌がる日も出てきました。そんな時には「せっかく作ったのに!」と無理強いすることのないようにしています。筆者が代わりにマグネットを移動する日もあれば、ボードは丸一日お休みにする日もあります。
お支度ボードを使う日も、使わない日もありますが、何より変わったのは「今日はどうかな?」と筆者自身が娘の様子を観察するようになったこと。ボードがあることで、感情的にイライラするのではなく、「できたこと」にも目が向いて、冷静に状況を確認できるようになりました。
子どものできていないことばかりが気になる、そんな方はお支度ボードを一度試してみるのもいいかもしれません。
著者プロフィール
ラーゴムデザイン代表 長谷部敦子
ファイナンシャルプランナー、マスターライフオーガナイザー、メンタルオーガナイザー。父親の看取り介護、自身の結婚を通して、「心」と「お金」の整え方を知ることの必要性を感じ、学びを深める。2012年・2014年の出産を経て、2015年に「しなやかな生き方をデザインする」をコンセプトに起業。家計・起業・扶養などに関わるお金の悩みや、働きたい女性のメンタルについての相談・講師業を中心に活動。働く母の目線で、日々のくらしを快適にする仕組みづくりについての執筆も行っている。「生き方デザイン.com」