今年の年末もさまざまなバラエティ特番が放送される中、フジテレビのドキュメンタリー枠『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)が、芸人のネタで相次いで使用されるという珍事が発生。もともと番組のファンが多いだけに、SNSでもちょっとした盛り上がりをみせた。
まず登場したのは、21日の『とんねるずのみなさんのおかげでした 歳末爆笑2時間半スペシャル』(フジテレビ)。来春に終了する同番組の名物企画「博士と助手 細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」のファイナルで、お笑い芸人の小出真保とチャンス大城が、『ザ・ノンフィクション』でよく見るようなシーンを披露した。
「日曜のお昼、あなたのその指が、8チャンネルから動かなくなる」と小出が切り出し、テーマ曲「サンサーラ」をBGMに披露したネタは、「定職につかない夫と妻のある日の会話」「まるで事務作業のような会話をするアパートの大家と半年家賃を滞納している男」「思春期の娘と全く働かない父親」で、スタジオは「これやべぇ!」の連発。チャンス大城は初出場にして、見事優勝を勝ち取った。
そして、29日深夜に放送された『朝まであらびき団SP』(TBS)。常連の6人組前衛集団・キュートンがショーを披露するも、メンバーの増谷キートンが引きこもりになってしまったことが発覚した瞬間、あの「サンサーラ」が流れ出し、スタジオは東野幸治を筆頭に大爆笑となった。
いずれの番組も、なぜか本田翼がゲストとして見守っており、「細かすぎて―」でも爆笑していた本田は、キュートンのネタを見終え、「なんかすごいダメな人に見えました」と率直にコメント。他にも、28日に放送された『人生逆転バトル カイジ』(TBS)には、以前『ザ・ノンフィクション』で密着を受けた受けた地下アイドル・大浦忠明(きらら)さんが出場しており、紹介VTR中に「サンサーラ」が流れると、SNSでは「カイジの演出にザ・ノンフィクションいれてくるのズルいwww」などとザワついていた。
ここにきて、局や番組ジャンルを越えて『ザ・ノンフィクション』がフィーチャーされるのは、今年10月15・22日に放送された「人殺しの息子と呼ばれて…」の影響が大きいだろう。北九州連続監禁殺人事件の犯人の息子に、初めてメディアとしてインタビューして世間に衝撃を与えた内容で、「細かすぎて伝わらないモノマネ」でも、関根勤が「あの番組すごいんだよ! めっちゃ攻めるよな!」、設楽統が「ノンフィクション、ここ最近かなり神がかってますからね!」と興奮していたように、枠自体が大きな注目を集めるようになった。
『あらびき団』で東野が「『ザ・ノンフィクション』のテーマ曲の力すごいね!」と感心していたとおり、この曲の破壊力は抜群で、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ)で株主優待生活を送る"桐谷さん"の密着VTRでも使用されるほど。年明けにも、VTRでパロディ的に描かれる番組が予定されている。
『久保みねヒャダこじらせナイト』(フジ)でも取り上げられるなど、もともとファンの多い番組ではあったが、番組自身のブレイクによって、関東ローカルながらバラエティで"市民権"を得たと言えそうだ。