日本のカルチャーが集まる首都・東京。文房具においても例外ではなく、東京にいれば新製品やレアなアイテム、海外のアイテムも手に入りますし、文房具好きの集まりも頻繁に開催されています。
ですが、充実した文房具カルチャーに触れられる東京に住んでいてもなお、ひしひしと感じるのが、大阪や神戸、京都といった関西の文房具界隈の勢い。文具店も文具好きのユーザーも、何だか東京とはちょっと違ったパワーを秘めているんです。
関西の文房具好きの集まりに潜入!
東京では「文具朝活会」や「文房具朝食会」など文房具好きが定期的に集まって熱く語り合う会や、「日本手帖の会」「手帳社中」といった手帳に特化した団体が主催するイベントなどが頻繁に開催され、私もよく参加しています。
一方、うわさを聞く限りでは関西にも相当濃い集まりがあるとか……! しかも、参加者一人一人の熱量が相当なものなんだそう。これは気になります……!
まず関西の文具好きコミュニティで有名なのは、「どや文具会」。会の名称からして関西らしさと力強さを感じます。「どや文具会」では定期的に"ゆるーく好きな文具について語り合う会"を開催しているということで、早速その集まりに参加してみました。
この日は20人ほどの参加者が、いつも利用しているという何だか懐かしい雰囲気の和室に大集合。メンバーは普通の会社員から文具店の店員、メーカーの中の人まで多種多様。共通しているのは全員が大の文房具好き、ということです。
文具について熱く語り合う参加者の姿は真剣そのもの。自分の文具を「どや! 」と発表したり、他の参加者が持ってきた珍しい文具に目がくぎ付けになったり……。ぜんぜんゆるくありません。
「どや文具会」では毎回「文房具里親探し」というコーナーもあります。これは参加者たちが家で使わずに眠っている文房具を持ち寄って、新しいオーナーを探すというもの。文房具の情報収集もできて、もしかしたら欲しかったあの文房具も手に入れられるかもしれないという、文房具好きにはたまらない会なのです。
開催中、ふと目に入ったのが、ある参加者の手元にあった素敵な万年筆。パイロットの「kakuno」透明軸のようですが……。
「これ、透明のkakunoの軸の中にビーズやきれいな紙を入れてデコレーションしているんです。何を入れたらおしゃれかなあっていろいろ考えているんですよ」と語るのは、こちらの万年筆の持ち主で「どや文具会」の主催者の一人でもあるnaokoさん。こんなふうに自分なりの文房具の楽しみ方を次々と見つけていくバイタリティある文具好きが多いのも関西の特徴なのです。
手帳について語り合うために40人以上が集結!
関西全域から手帳ファンが集結するオフ会「関西手帳研究会(通称てちょけん)」も人気の集まりのひとつ。今回お邪魔したオフ会には40名以上が集まり、グループに分かれてトークを楽しんでいました。
おすすめの手帳や独自の使い方、カスタマイズ方法などをみなさん熱く語り合っていると、あっという間に時間が過ぎていきます。中には手帳を何冊も同時に使っている人や、自作の手帳を作っている人もいて、濃い手帳トークが繰り広げられていました。
関西の文具業界には盛り上げ役が…!
実は今回紹介した「どや文具会」の主催者の一人、阿部大起さんと「関西手帳研究会(てちょけん)」の代表の荒川翔太さんは、関西で文具業界を盛り上げている中心的存在。おふたりと山本紙業の山本泰三さんが3人で結成した文具イベント集団「K3(ケイ・キュービック)」が、大阪を中心に様々なイベントを企画しているんです。中には万年筆のインクの色をそのままカクテルにして提供する「文具BAR」などユニークなイベントもあります。
更に3人はそれぞれの会社で次々と話題のアイテムを生み出している文具クリエイターでもあり、関西文具界をけん引する存在。イベント以外にもインターネットラジオを制作するなど幅広い活動をしています。
このように、関西での文具界隈の盛り上がりはK3のような求心力のあるチームの存在や、一人一人の文房具ファンの熱量によって作り上げられているのです。どの集まりやイベントも文房具に興味のある方なら喜んで迎え入れてくれるので、関西で文具を楽しみたい、文具友達を作りたい、という方は是非参加してみてはいかがでしょう。