歌手の三浦大知が29日、東京・渋谷のNHKホールで、『第68回NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 12月31日19:15~23:45)のリハーサルに参加。終了後に行われた囲み取材での発言には、三浦の人柄がにじみ出ていた。
デビュー20周年の節目に紅白初出場を果たす三浦。リハーサルを終え、「すごく楽しみです。ステージに立って、より実感がわいたというか。いよいよという感じがします」と興奮を抑えるように話し、「ダンサーの"みんな"もいつになく緊張していました。緊張を良い緊張に変えて、"みんな"でベストなパフォーマンスができたら」と本番に向けて意気込んだ。
「今年は本当に目まぐるしくていろいろな方との縁もどんどんつながっていくような、輪がどんどん広がっていくような、すごくステキな一年だったので、その一年の締めくくりをこの紅白でできたらいいなと思います」と三浦。中でも印象的だったのは、鶴瓶との出会いだったという。
「鶴瓶さんとの縁がつながって食事に連れて行ってもらったり、落語会の寄稿文みたいなものを書かせていただいて。歌とダンスしかしてこなかったので執筆みたいなことを一度もやったことなかったんですけど、見開きで僕の文だけが書かれた冊子が会場の全員に配られるというすごくスペシャルな形で取り扱ってくださって。鶴瓶さんの器の大きさというか、大人な部分を今年はたくさん教えてくださることが多くて、そこは影響を受けたと思います」
歌やダンスと縁遠いとも思える落語。ところが三浦は違った見方をする。
「音とか何もなく、照明も変わらずにスッとステージに出てくるんですよ。さっきまでそこでしゃべってた感じでいきなり出てきて。僕たちは基本は歌とダンスなので、ライブをやるとなると、どういうイントロではじまってとか、音や映像、照明の力をどうしても借りないといけない。鶴瓶さんは音もない、照明も何も変わらない状態でスッと出てきて成立する空気感というか。それは本当にカッコよくて。なかなか自分ではできない立ち振る舞いだったので。そこはものすごくカッコイイというか、大人だなと感じました。スッと立ってるだけで絵になるような、そんな男になれたらいいなと思います」
「いろんなものが繋がっていく年だった」ことから、今年の漢字一文字を「繋」とした三浦。繋がりは外側だけでなく、内側に向かってより強固な「結束」となっていることが、この日の三浦の言葉からうかがえる。
「(パフォーマンスは)"みんな"で相談しながら変えて、1番良い形に仕上げていっています」
「三浦大知という一人の名前でやってますけどチームでやっているので、ダンサーと相談しながら」
「三浦大知"チーム"で作ってきた音楽やパフォーマンスが今まで届いてなかった人たちにもどんどん届いて、点と点が線になってどんどん繋がっていく。そんな一年だったと思います」
来年への抱負について聞かれると、「これを新たなスタートにして今まで以上にがんばれたらいいなと思いますが、あまり飛び級が得意なタイプではないので、今まで通り、1つ1つ、1年1年重ねながらがんばっていけたらなと思っています」。外側のつながりで世界を広げつつ、しっかりと足元も見つめている。