特急「いなほ」に使用されるJR東日本の特急形電車E653系1000番台。10月に登場した瑠璃色の編成に続き、12月29日からハマナス色の編成が営業運転を開始した。初列車となった臨時「いなほ85号」は14時11分、新潟駅2番線ホームから発車した。

  • ハマナス色のE653系(U107編成)が新潟駅2番線ホームに入線。新潟発酒田行の下り臨時「いなほ85号」で営業運転を開始した

JR東日本新潟支社は今年10月、E653系1000番台(新潟車両センター所属)の定期検査にともなう車両工場への入場に合わせてエクステリアデザインを変更し、U106編成を瑠璃色、U107編成をハマナス色のカラーリングに一新すると発表。U107編成に採用されたハマナス色は、特急「いなほ」が走る羽越本線沿線の海岸線に自生するハマナスをイメージしたもので、「その花色は日本海に沈む夕陽の海面に映りこむ色彩にも通じ、沿線風景を象徴するカラーリング」(新潟支社)だという。

ハマナス色となったU107編成の初列車は12月29日の下り臨時「いなほ85号」。14時2分頃、新潟駅2番線ホームに入線した。帰省ラッシュに合わせて設定された臨時列車で、上越新幹線の臨時「Maxとき365号」(新潟駅13時53分着)とも接続し、大きな荷物を持った帰省客が多く乗車した。新塗装となったE653系の姿を写真に収める鉄道ファンらの姿も。先頭車付近では、ハマナス色の編成のデビューを祝うとともに「おかえりなさい ふるさとへ」と描かれた横断幕を持った駅員が「いなほ85号」の発車を見送った。

  • 横断幕を持った駅員が2番線ホームに立ち、新潟駅を発車する「いなほ85号」を見送った

14時11分に新潟駅を発車した下り臨時「いなほ85号」は白新線・羽越本線を走行し、終点の酒田駅には16時38分に到着予定となっている。車内では初列車限定のデビュー記念ポストカードが配布される。

今後はハマナス色の編成も従来デザインの編成および瑠璃色の編成と共通運用となるため、どのデザインの編成が充当されるかは「当日までのお楽しみ」(新潟支社)。なお、特急「いなほ」に使用されるE653系1000番台のうち、瑠璃色・ハマナス色の編成は今回導入された1編成ずつのみ。他の編成は従来のデザインで当面運行予定とのことだった。

この年末年始、特急「いなほ」は新潟~酒田間で臨時列車を設定しており、下りは12月31日まで「いなほ81・83・85号」(新潟駅9時32分発・13時35分発・14時11分発)の1日3本運行。「いなほ83号」は1月1日にも運行される。上りは1月2~5日に「いなほ84号」(新潟駅14時38分着)、1月2~4日に「いなほ86号」(新潟駅15時25分着)、1月3・4日に「いなほ80・82号」(新潟駅11時48分着・14時1分着)を運行する。

  • ハマナス色となったE653系1000番台(U107編成)の外観

  • 特急「いなほ」やE129系・E127系の普通列車などが停車する新潟駅の在来線地上ホーム。新潟駅では2018年4月から在来線高架ホームの使用開始を予定している