これまで、フェリーや新幹線、首都高速道路といった、公共交通の年末年始の動きについて伝えてきた。残るは空の足、旅客機についてだ。

旅客機は、申すまでもなく新幹線に並ぶ、重要な移動の手段だ。だが、旅客機は移動手段としては速く優れていても、旅客量は新幹線にはおよばない。ベストセラーと呼ばれるボーイング737でも座席は160席強。目的の空港によっては、1日に数便しかフライトしない場合もある。急遽、飛行機で移動しなくてはならない状況になって、席が取れなかったという経験をした方もいるだろう。

筆者も、出張で島根県・出雲に行かなくてはならないとき、席が取れず、鳥取県・米子行きの飛行機を選び、そこから鉄道で移動した憶えがある。

とはいえ、乗機時間の短さ、空港や機内サービスの快適さを考えれば、やはり移動の手段としては第一に考えたい。

それでも、気をつけなくてはならないのが、繁忙期だ。年末年始やゴールデンウィーク、お盆といった時期に旅客機を利用しようと思ったら、細心の注意が必要となる。もし、寝過ごして予約していた便のチェックインに間に合わなかったら、次の便に乗れない可能性が十分にあるからだ。

フライトを待つJAL機

ただ、航空会社も増便で対応するのがこの時期だ。たとえばJALの場合、12月23日~2018年1月8日に羽田・沖縄間を12から13便に増便する。クリスマスからお正月というシーズンに人気の高い路線に便を増やして、対応するというわけだ。

また、JALの広報によると、国内線よりも国際線のほうが年末年始の需要が高まるらしい。海外でバカンスを過ごす日本人のほか、旺盛なインバウンド需要が影響しているのだろう。年末年始というわけではないが、成田・グアム、関西・ホノルルの期間増便を春から行うということだ。

空港の混雑も要注意

12月中旬の羽田空港出発ロビー。写真では確認できないが、保安検査場には多くのお客がいた

一方、年末年始は空港の混雑にも気を配りたい。12月中旬に、羽田空港の混み具合を確認してきたが、出発ロビーには人が多かった。普段、なんの変哲もない平日に出張に行くため、そのときとのギャップで人が多いと感じた可能性もあるが、年末年始の連休には、もっと人があふれるはずだ。

国内線は出発15分前にチェックインというのが原則だが、チェックインカウンターや保安検査の時間を考えると、余裕を持って空港に足を運ぶべきだろう。

そしてもう1点。天候だ。この原稿を執筆している時点、強い寒気が北陸地方や北日本に流れ込んでいる。そういう地から出発する場合や、目的地が積雪地帯だった場合、時刻どおりのフライトにならないことが考えられる。また、筆者の経験で申し訳ないが、豪雨のため30~40分、機内で足止めされたことがある。もちろん、先方のアポには間に合わず、機内だったので電話連絡も控えた。

いずれにせよ、新幹線などの鉄道と異なり、旅客機はイレギュラーが多い。年末年始は乗客がマックスになり、空港や機内にどんなトラブルが起きるかもわからない。余裕を持って旅客機を利用するのが先決だ。