名古屋の観光の2大コンテンツ「なごやめし」と「武将」。この両者の魅力を同時に味わえるコラボ駅弁「なごや武士めし 武将隊弁当」が12月27日から売り出されることになった。
名古屋自慢の2大コンテンツが強力タッグ
味噌カツ、味噌煮込みうどん、ひつまぶし、手羽先などの「なごやめし」は、今や全国的にもその名を知られるご当地グルメ。
さらに愛知県は信長・秀吉・家康の三英傑をはじめ、全国の大名の大半を輩出した武将文化の町で、名古屋城や徳川美術館など、戦国武将ゆかりの見どころも多い。
最近では「名古屋おもてなし武将隊」が全国の武将グループの先駆けとなり、人気を博している。
実は日本食の原点ともいえる、なごやめし&武士めし
この両者の魅力を生かしたコラボ駅弁では、おなじみの味噌カツ、きしめん、味噌おでんの味噌玉子、牛どてといった「なごやめし」を採用。
戦国~江戸時代の武士が好んで食していたという「武士めし」として、焼き味噌おにぎり、鶏肉の小串焼き、鱒の焼き物、秀吉の好物・煮ごぼう、野菜の炊き合わせ・みつあえなどを盛り込んだ。
なごやめしの多くに使われる豆味噌は、かつては全国各地で作られていた味噌の原点とも言うべきもの。また、武士の食事は戦国時代以降に発展した海運によって全国から特産品が天下人のもとに集められ、日本料理の原点になったとも言われている。
つまり、なごやめしと武士めしを掛け合わせたこの弁当は、日本食の伝統をまとめて味わえる一品と言えるわけだ。
濃い口で酒の肴にも、マップ付きで観光のおともにも
実食した河村たかし 名古屋市長は「焼き味噌おにぎりとは珍しい。こいつはうみゃぁ!」と太鼓判。また、開発した株式会社だるまの鈴木英夫 名古屋支社長は「全体的に名古屋人好みの濃い口なので、お酒のつまみにもなります」とアピールした。
筆者も実食してみたところ、味が濃いといいながらもまろやかで、素朴な濃さが決してしつこくはない印象。名古屋人にとっては安心感があり、他地域の人にとっても名古屋らしさがありながら、親しみの持てる味わいではないかと感じた。
ビールはもちろん、途中からは日本酒、それもうま口の愛知の地酒が飲みたくなる。12品が詰められているので、新幹線の車中の酒の肴としても大いに楽しめそうだ。
また、愛知県内の戦国時代にまつわる史跡を紹介する「あいち戦国MAP」も付いている。名古屋に着いた時点で購入し、弁当を味わいながら電車やバスで史跡めぐりをするのもいいだろう。
「なごや武士めし 武将隊弁当」(税込1,200円)はJR名古屋駅のキヨスクにて12月27日に発売。名古屋に着いたら、あるいは名古屋出張&観光の帰りに、名古屋の食と文化をまとめて味わってみてはいかがだろうか。
筆者プロフィール: 大竹敏之(おおたけとしゆき)
名古屋在住のフリーライター。雑誌、新聞、Webなど幅広い媒体で名古屋情報を発信する。名古屋メシ関連の著作を数多く出版。著書に『名古屋の喫茶店』『名古屋の居酒屋』『名古屋メン』『名古屋めし』(リベラル社)、『名古屋の商店街』(PHP研究所)、『東海の和菓子名店』(ぴあ中部支局/共著: 森崎美穂子)などがある。Webガイドサイト「オールアバウト」名古屋ガイド。愛知県や名古屋市などの協同プロジェクト、なごやめし普及促進協議会ではアドバイザーを務める。