お正月休み前の楽しみと言えば「冬のボーナス」ですよね。毎回、使い道には悩むものです。ボーナスは「使う」「貯める」のどちらかという人が多いかもしれませんが、それ以外の方法として「増やす」にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。今回は、ボーナスの賢い使い方を考えてみました。
ボーナスの賢い活用法は「3つの使い道」に分けること
せっかくもらったボーナス。毎月の赤字を補てんして終わりではなく、さらに有益な使い道を目指してみましょう。と言っても、「好きなことには使わず全額貯金」や、反対に「普段頑張っているご褒美にパーッと散財」は、賢い活用法ではありません。ボーナスは、「消費」「貯金」「投資」の3通りの使い道に分けて考えるのがおすすめです。
まずは、大まかで構いませんので、ボーナスの半分を消費分、残りの半分を貯金分と投資分とします。特に欲しいものがない場合は、貯金と投資に多めに回しても構いませんが、後々、買いたいものや旅行の計画ができた時のために取っておくのも良いでしょう。また、ボーナスの支給額は人ぞれぞれですので、金額に応じて無理のないよう調整してみてください。
いざという時の備えができていないと感じるなら、貯金を多めにしてみましょう。最低限貯めておきたいのは、3カ月~半年分の生活費です。病気やケガで働けなくなるリスクに備える制度や手当、保険は様々ありますが、ある程度の現金が手元にあれば、どのような用途にも使うことができます。
反対に、最低限の貯金より投資を優先させないことです。急にお金が必要になった時、現金の用意があれば問題ありません。しかし、たとえば、充分な現金がなく株式を保有しているような場合、その株式を売却してお金に換えることになります。株価が購入時より上がっているなら良いですが、下がったタイミングで必要に迫られて売却すると、損をしてしまうリスクがあります。そのため、まずは貯金がしっかりできているか確認してみてください。
ボーナスで投資をするなら
「今年の冬のボーナスは好調だったから、投資まで手が回りそう」という人もいると思います。余裕資金がないとなかなか挑戦できないものですので、「投資は未経験」という人も、これを機に重い腰を上げてみたいですね。
しかし、ボーナスを活用して投資を行うなら、気を付けたいポイントがあります。1つ目は、将来の使い道が決まっているお金の運用を、ボーナスに頼り過ぎないことです。たとえば、住宅取得資金や教育費、老後資金など、必ず使うことが決まっているお金の準備を「ボーナスありき」にすることはおすすめできません。毎年きちんと支払われる会社も多いですが、それでも、ボーナスは「ボーナス」。景気や会社の業績で減額したり、カットされたりする可能性もあるからです。ボーナスが必ずもらえる、もしくは今後も今の水準で支給されることを前提に、資金計画を立てるのは避けましょう。
2つ目は、投資はコツコツ行うのが基本ということです。たとえば、定期的に一定の金額を自動で買い付ける「投信積立」で運用を行えば、「ドルコスト平均法」の効果が得られます。ドルコスト平均法とは、価格が安い時には多く、高い時には少なく買い付けることで、結果的に平均購入単価を抑えられる方法のこと。他にも、ミニ株やるいとう(株式累積投資)といった少額投資できる商品はいろいろとあります。ボーナスの支給を機に、コツコツと積み増す投資を検討してみてはいかがでしょうか。
もし、ボーナスでまとまった額の投資がしたいのなら、株式投資がおすすめです。優良株を調べて購入するほか、初心者の人なら、自分が興味のある企業や普段利用している商品やサービスを提供する企業の銘柄を購入するのも良いでしょう。銘柄によっては、株主優待の楽しみもあります。いざという時の貯金をしていれば、株式購入後に株価が下がっても、再び上昇するまで待っても問題ありません。もちろん、余裕資金だからこそできる運用方法であることを忘れないようにしましょう。
ボーナスの使い道は、イメージできたでしょうか。普段は生活費の支払いで精いっぱいでも、使い道をあれこれ考えられるボーナスはとても嬉しいものですよね。せっかくもらったボーナスですので、前回よりも有意義に活用できるよう、計画を立ててみてください。
■ 筆者プロフィール: 武藤貴子
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。