ジャパンタイムズとイーオンは12月11日、日本で暮らす外国人が選ぶ「2017年、最も印象に残った日本の出来事・ニュース」の結果を発表した。調査は11月13日~22日、イーオンに在籍中の外国人教師511名を対象に行なわれた。

間もなく2017年が終わろうとしているが、働き方改革が押し進められてきたこの一年、ビジネスマンにとってどんな一年となったのだろうか。初めて社会人になった人、育休に入った人、転職した人…。日本社会全体としてもさまざまな変化が起きた年となったが、外国人目線で見ると、どんな出来事が印象的だったのだろうか。早速、調査結果を紹介しよう。

2017年、主な日本の出来事・ニュース

同調査では、2017年1月~10月の「The Japan Times」WEBサイト記事アクセスランキングの中から、「政治・経済」「社会」「生活・文化・スポーツ」の3分野における「2017年日本の出来事」に関するそれぞれ上位10位、全30記事をイーオンが抽出。下記30記事の中から最も印象的だったものを選んでもらった。なお、「国際カテゴリ(北朝鮮関連、トランプ大統領関連など)に属する記事」「性的な出来事に関する記事」「出来事(ストレートニュース)以外の記事」「2017年以前の記事」は除外している。

  • 「2017年、最も印象に残った日本の出来事・ニュース」

    「2017年、最も印象に残った日本の出来事・ニュース」政治・経済

  • 「2017年、最も印象に残った日本の出来事・ニュース」

    「2017年、最も印象に残った日本の出来事・ニュース」社会

  • 「2017年、最も印象に残った日本の出来事・ニュース」

    「2017年、最も印象に残った日本の出来事・ニュース」生活・文化・スポーツ

2017年ニュース「長時間労働是正の動き」がトップに

日本で暮らす外国人が選んだ「2017年、最も印象に残った日本の出来事・ニュース」1位は、「長時間労働是正の動き」(93票)だった。ワークライフバランスが重要視され、自分や家族の時間を大切にする傾向の強い欧米の人から見ると、日本人は不思議とも思えるほど会社に対する忠誠心が強く、"働きすぎの日本人"というイメージが定着しているよう。多くの外国人がそんな日本の働き方を「変えた方がいい」と考えており、政府や企業がようやく「働き方改革」に乗り出したことがポジティブに捉えられた結果、トップに選ばれた。

続く2位は「変なホテル(ロボットホテル)が首都圏にオープン」(41票)。海外から見た日本のイメージは、"未来的"と"伝統的"という、ある意味両極端な側面を持っているという。日本のロボット技術は広く世界に知られており、そんなロボット技術が、もう一つの日本の側面である"伝統的"なおもてなしと結びついた「ロボットホテル」という面白さが、多くの外国人の興味を引いたよう。また、日本語を使わずにチェックインできるという点でも、海外から関心を得ているようだ。

3位には「上野動物園でパンダの赤ちゃん誕生」(35票)がランクイン。パンダのかわいらしさ・愛くるしさは万国共通のよう。欧米にもパンダが公開されている動物園があり、その希少性の高さや繁殖の難しさから、パンダ出産の際は各国でも大きなニュースになるという。

4位は「天皇陛下生前退位に向けた皇室典範改正の動き」(31票)。この出来事が選出された根底にも"伝統的"という日本のイメージがあると考えられる。特にアメリカ出身者は、日本は歴史も長く伝統的なシステムを重んじる国であるという印象を抱いている。ずっと変わらないと考えられてきた「伝統的なシステムが変わること」自体を、驚きを持って受け止めているようで、歴史の転換点となる、大きな出来事として捉えられていることが伺えた。

5位にランクインしたのは、日本中が喜んだ「眞子さまご婚約内定」(30票)。日本のプリンセスでありながら、学生時代の同級生とのご婚約という点が、ドラマチックなラブストーリーを好む外国人の心をつかんだよう。また、日本の皇室典範において、皇族女子が皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れるという制度自体を初めて知り、驚いたという声も多く聞かれた。

以下、TOP10は、「成人18歳に引き下げの動き」「安倍内閣、憲法改正の動き」(同率6位)、「岡山県の動物公園からゾウガメが脱走」「大阪での入れ墨裁判」(同率8位)、「小林麻央さん、逝去」(10位)となった。