説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『標準装備のアプリは完全に削除できるの?』という質問に答えます。
***
iOS 10以降、標準装備されるアプリの一部は削除(アンインストール)できるようになりました。再び必要になったときはいつでも「App Store」から無償ダウンロードできるので、取り返しがつかなくなることはありません。費用もかかりませんから、内蔵ストレージの容量不足対策にも役立ちます。
iOS 11の現在、削除および再インストール可能な標準装備のアプリは、「リマインダー」に「マップ」、「株価」に「アクティビティ」、「コンパス」に「天気」……など多数あります。ホーム画面で適当なアプリアイコンを長押ししたとき、左上に「×」が表示されるアプリは削除可能ですが、「電話」や「Safari」のように削除不可能なアプリもあります。
その削除可能な標準装備アプリですが、完全に削除できるかというと、そうでもありません。内蔵ストレージの容量にはほとんど影響しないものの、アプリの"痕跡"のようなものが残ってしまうことはあります。
たとえば、『ミュージック』は削除すると『設定』アプリから項目が消えてしまいますが、「プライバシー」画面に「メディアとApple Music」という項目は残りますし、Siriに「音楽を再生」と命令すると処理が進まずそのままになってしまいます。『設定』→「通知」画面にも、「com.apple.Music」と表示された『ミュージック』アプリのものと覚しき設定項目が残されていることがわかります。
このように、削除すると内蔵ストレージからアプリとしての実体がなくなるとはいえ、システムのあちこちに痕跡が残ってしまうのが標準装備アプリならではです。サードパーティー製アプリとは異なり、システム標準の機能に準ずる存在ですから、ストレージ空き容量の都合で一時的に削除できる程度に認識しておいたほうがいいでしょう。