日本生産性本部「メンタル・ヘルス研究所」は12月14日、「メンタルヘルスの取り組み」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は7月~9月、上場企業2,273社を対象に行なわれた。有効回答数は221社。なお、同調査は2002年に開始し、今回で8回目。
30~40代に多い心の病
心の病が最も多い年齢層は、前回同様40代(35.8%)と30代(32.6%)が拮抗する結果に。10~20代(27.9%)は3割近くまで大きく上昇し、50代を除く各世代の比率が平準化してきた。
ここ3年の「心の病」の増減について聞くと、「増加傾向」と回答した企業は24.4%と、前回調査(2014年)の29.2%に引き続き減少し、過去最低となった。「横ばい」は59.7%、「減少傾向」は10.4%だった。
ストレスチェック受験率は高水準も、課題あり
ストレスチェック実施企業各社の平均受検率は90.0%と高水準となった。197社の「高ストレス者」比率は10.3%、実際に面接指導を受けた人は平均1.3%だった。
また、ストレスチェック制度の課題について聞くと、「集団分析結果の活かし方」(58.4%)や「高ストレス者の面接以外のフォロー」(39.8%)、「医師面接勧奨者が面接を希望しないこと」(30.3%)が上位に挙がった。法定義務化されたことから非常に高い受検率であった一方、制度の活用面に課題がみえる結果となった。
変化や質を求められる組織で「心の病」が増加
組織風土と「心の病」の増減との関連性を調べたところ、今回の調査では、9割以上の企業が「求められる仕事の量が多くなってきている」「求められる仕事の質が高くなってきている」「従業員が自発的に今迄の仕事のやり方を変えていくことが求められている」と回答し、職場のストレスが常態化していることが明らかに。これらの項目に当てはまる企業は「心の病」も増加傾向となった。