トヨタ自動車とパナソニックは13日、車載用角形電池事業の協業の可能性を検討することに合意したと発表した。地球温暖化、大気汚染、資源・エネルギー問題の解決に貢献し、電動車への需要と期待の高まりに応えるため、車載用電池のさらなる進化をめざす。
両社は1953年の取引開始以来、パートナーとして信頼関係を築いてきた。今回は従来の枠を超え、新しい価値創造に挑んでいくことが重要との認識が一致し、協業を検討することとなった。トヨタはハイブリッドを主力モデルに採用しているほか、プラグインハイブリッドや水素電池自動車をすでに発売しており、EVについても開発を進めている。これらの技術はすべて、高性能な電池が必須となっている。
パナソニックは車載用リチウムイオン電池の事業を重点事業のひとつと位置づけており、世界の多くの自動車メーカーで採用されるなど高い技術力を持つ。両社は協業により、業界ナンバーワンの車載用角形電池を実現し、トヨタのみならず広く自動車メーカーの電動車の普及に貢献するとしている。
協業の具体的な内容は未定だが、車載用角形リチウムや全固体など次世代電池の取組みに加え、その電池の資源調達やリユース・リサイクルなども含めて、幅広く協業の内容を検討していく。
記者会見では、トヨタ自動車代表取締役社長の豊田章男氏、パナソニック代表取締役社長の津賀一宏氏がスピーチ。豊田氏はトヨタグループの創始者である豊田佐吉が電池の開発を奨励していた例を上げるなど、トヨタ自動車と車載電池の関わりを示した。
その上で、自動車業界は100年に1度の大改革の時代であり、従来の延長線上に未来はないとして、車載用電池の業界ナンバーワンであるパナソニックとの協業の意義を強調した。さらに豊田佐吉、松下幸之助はともに発明家、起業家であり、両社にはそのベンチャー精神があるとしている。
津賀氏は電池が電動車さらにはサステイナブルな社会への進化のカギを握るデバイスであるとして、トヨタとスピード感を持って協業の検討を進めるとした。また、現状を守るだけでは生き残れず、培ってきた強みを生かしながらもチャレンジャーのマインドを持って電動車の普及に貢献するとしている。